近代建築の巨匠ル・コルビュジエと、インテリア・デザイナーとしても著名な女性建築家アイリーン・グレイの間に隠された波乱万丈のストー リーを美しき映像で描いた極上のドラマ『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』が、10/14(土)より Bunkamura ル・シネマ他にて全国順次公開いたします。
南仏の海辺に立ち、建築史上に残る傑作とされる別荘<E.1027>。
アイ リーンが手がけたにも関わらず、長らく近代建築の巨匠ル・コルビュジ エの作とされてきたその建物は、二人の仲を決定的に引き裂いたとされる“壁画事件”の舞台でもあります。
本作は、歴史の闇に埋もれてきたその邸宅の謎を紐解き、ル・コルビュジエとアイリーンの間に隠された、 知られざる愛憎のドラマを浮かび上がらせます。
昨年、上野の国立西洋美術館が世界文化遺産に登録され、再び世界中で注目を集めるル・コルビュジエ。それによって、ル・コルビュジエが生涯で唯一その才能を羨んだと言われるアイリーンもまた、大きな脚光を浴びています。
天才たちの愛と嫉妬が絡まりあう、予告編映像が公開!
『インドシナ』出演、『ヒトラーへの 285 枚の葉書』監督のヴァンサン・ペレーズ演じるル・コルビュジエが「私の建築は人々の暮らしを変えた。だ が、彼女はこの世界自体を完全に変えてしまった――アイリーン・グレイだ」と、アイリーンについて語る言葉で始まる予告編。
かの有名なル・コルビュジエの言葉「住宅は住むための機械である」をアイリーンが真っ向から否定する一幕や、「芸術と違い、愛には自信がないんだ」と“巨匠” ル・コルビュジエが人間らしい本音を覗かせる場面もあり、惹かれながらも相克する天才建築家二人の只ならぬドラマを感じさせます。
そして最後には、「物の価値は、創造に込められた愛の深さで決まる」というアイリーンの言葉が、<E.1027>を背景に浮かび上がります。
映画の舞台は、様々な芸術が花開き、大衆文化が栄えた 1920 年代のフランス。
南仏のきらめく海と緑、そしてモダニズムが薫る建築やインテリアで彩られた映像が、ため息の出るような本作の美しさを存分に伝えてくれます。
【STORY】
モダニズム華やかなりし 1920 年代、のちの近代建築の巨匠ル・コルビュジエは、気鋭の家具デザイナーとして活躍していたアイリーン・グレイに出会う。彼女は恋人である建築評論家のジャン・バドヴィッチとコンビを組み、建築デビュー作である海辺のヴィラ<E.1027>を手掛けていた。
陽光煌めく南フランスのカップ=マルタンに完成したその家はル・コルビュジエが提唱してきた「近代建築の 5 原則」を具現化し、モダニズムの記念碑といえる完成度の高い傑作として生みだされた。当初はアイリーンに惹かれ絶賛していたル・コルビュジエだが、称賛の想いは徐々に嫉妬へと変化していく。
そして 1938 年、事件は起こる。ル・コルビュジエは、アイリーンの不在時に何の断わりもなく、邸内に卑猥なフレスコ画を描いてしまう。これを知った彼女はル・コルビュジエの行為を「野蛮な行為」として糾弾し、彼らの亀裂は決定的なものになった。その後、大戦とともに、<E.1027>は人々から忘れられ、打ち捨てられてしまう。
戦後、すっかり荒れ果てた物件は、競売にかけられる。海運王アリストテレス・ オナシスも参加したこの物件を買い戻すために奔走したのは、他でもない――ル・コルビュジエだった。
【監督・脚本】メアリー・マクガキアン
【音楽】ブライアン・バーン
【撮影】ステファン・フォン・ビョルン
【美術】エマ・プッチ
【出演】オーラ・ブラディ / ヴァンサン・ペレーズ / ドミニク・ピノン / アラニス・モリセット
2015 年 / ベルギー・アイルランド / 英語 / 108 分 / カラー / シネスコ / 5.1ch /
原題:THE PRICE OF DESIRE
配給:トランスフォーマー
提供:トランスフォーマー+シネマライズ
© 2014 EG Film Productions / Saga Film © Julian Lennon 2014. All rights reserved.
後援:アイルランド大使館、ベルギー大使館、スイス大使館
協力:国立西洋美術館、hhstyle