カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアと並んで世界四大映画祭とも言われているモスクワ国際映画祭のコンペティション部門に選出されていた、中川龍太郎監督の『四月の永い夢』(主演:朝倉あき)。

第39回モスクワ国際映画祭コンペティション部門では残念ながら、グランプリを逃したものの、発表前日に発表されるFIPRESCI (国際映画批評家連盟)の定める”賞”-FIPRESCI JURY PRIZE (国際映画批評家連盟賞)とロシア映画批評家連盟特別表彰(スペシャルメンション)をW受賞したことが、映画祭公式サイトや海外メディアで発表されました。

モスクワ国際映画祭は世界的映画祭として過去には黒澤明「デルス・ウザーラ」や熊切和嘉監督「私の男」が同映画祭の最高賞を受賞しています。本作監督は若干27歳の新鋭監督、中川龍太郎です。

1990年生まれの監督は、すでに東京国際映画祭史上初の2年連続となる入選を史上最年少で成し遂げており、今回は歴史ある国際映画祭に初参加での受賞だけに、今作を含めますます世界の映画界から大きな期待が寄せられています。

また、プレスカンファレンスでは、過去の日本人監督の影響を聞かれた中で、ロシアに縁の深い黒澤明監督の名前をあげ「黒澤明監督のすごいのは、エンターテイメントとアートを両立できたという部分であるなと思います。僕もいつかそういう立場になれるようになって、ここに戻ってきたいと思っています。」と語っていました。

国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評連盟特別表彰 (スペシャルメンション)
『四月の永い夢』監督:中川龍太郎(27)

中川龍太郎監督 二つの受賞

39.moscowfilmfestival.ru

中川龍太郎監督のコメント
『四月の永い夢』は日本の若手スタッフを中心に作り上げた作品です。その作品が海を渡り、多くの偉大な芸術家を生み出したロシアの地で評価をいただけたことに本当に感謝しております。今回のことを励みに改めて精進して参る所存です。

朝倉あきのコメント
栄えあるモスクワ国際映画祭にて2つもの受賞、驚きと喜びの気持ちでいっぱいです。関わられた全ての方へ励みとなるはずです。今日を明日を精一杯にと、私も背中を押されました。

モスクワ国際映画祭『四月の永い夢』プレスカンファレンス

Пресс-конференция АПРЕЛЬСКИЙ СОН ДЛИНОЙ В ТРИ ГОДА-

youtu.be

『四月の永い夢』ポスター

『四月の永い夢』(英題:SUMMER BLOOMS)
2017年 / 日本 / 93分 / カラー / 16:9
製作:WIT STUDIO  制作:Tokyo New Cinema
Ⓒ2017 Tokyo New Cinema/WIT STUDIO

あらすじ
滝本初海、27歳。中学の音楽教師を辞めて3年、近所の蕎麦屋でアルバイトをしている。 変わらない日常のなかにふと訪れた一葉の手紙。それは3年前の春に亡くなった恋人が初海に向けて 書き遺したものだった。 隣の工場で働く青年からの求愛、かつての教え子との再会、そして初海自身が隠していた想い。 一葉の手紙をきっかけに、変わることのなかった真夏の日常が少しずつ動き始める。 これは、滝本初海の止まっていた季節が、再び動き出すまでの物語。

キャスト
朝倉あき 三浦貴大 川崎ゆり子 高橋由美子 青柳文子 志賀廣太郎 高橋惠子

監督:中川龍太郎
製作総指揮:石川俊一郎, 木ノ内輝
チーフプロデューサー:和田丈嗣
プロデューサー:藤村駿
製作:WIT STUDIO
制作:Tokyo New Cinema

本作は株式会社ウィットスタジオ(アニメ『進撃の巨人』『魔法使いの嫁』)との共同製作作品であり、同社初の実写映画となります。

来春(2018年)全国劇場にて公開予定!