「1975年、12歳の時に両親と兄弟と共にベトナムからフランスに逃げてきました。他の親戚は戦争によってばらばらになっています。家族は4人だけで、ずっしりと根を生やした経験がないと感じる人間として、僕はこの大家族の親子の関係や家系の物語に圧倒されました。大家族の揺るぎのなさや永続性は僕の憧れです」―― トラン・アン・ユン
本作品は、『青いパパイヤの香り』『夏至』『ノルウェイの森』のトラン・アン・ユン監督が、フランスの3大女優を主演に迎え、初めてフランスを舞台にした作品です。
これまでベトナムやアジアを舞台に映画を撮り続けてきた監督が挑んだ新作は、フランスを舞台に、運命に生きる3世代の女性たちを通して、世代を超えて命が受け継がれていく様を描き、“生”の素晴らしさを感じさせる、大いなる人生讃歌となりました。
そしてこの度、今秋の日本公開に先駆けて、ポスタービジュアルと予告編が解禁されました。
© Nord-Ouest
邦題『エタニティ 永遠の花たちへ』は、原題の英訳である「エタニティ」というタイトルに加え、主人公たちの邸宅に生い茂る草花のように、彼女たちが大地に根を張り、次の世代に脈々と命を受け継ぎ、家族を形作っていくことから、「永遠の花たちへ」という副題が付けられています。
ポスターは、オドレイ・トトゥ演じる主人公からはじまり、彼女の愛と人生が次の世代に受け継がれていく様を表現しました。
本作で10代から晩年までを演じたオドレイ・トトゥが、婚約者に会う一場面を用い、その可憐な美しさは『アメリ』を彷彿とさせます。
キャッチコピーでは、愛する人との出会い、結婚や誕生の歓喜の時と、死や別れの悲しみの時、そのすべてが人生の美しい瞬間であるという本作品のストーリーを表現しています。
世代から世代へと愛が受け継がれることで、命の輝きが“エタニティ＝永遠”であるという作品のメッセージが込めました。
また、予告編では、3世代の女性たちの日常、歓びと悲しみが世代を超えて繰り返されることで、家族の系譜が形成されていく様を、瑞々しい映像で綴っています。
トラン・アン・ユン監督『エタニティ 永遠の花たちへ』予告
youtu.be≪Story≫
ヴァランティーヌがジュールと結婚した理由は、19世紀末フランスの上流階級においては少し変わっていた。
親が決めた婚約を自分で破棄したのだが、それでも諦めないジュールに初めて心を動かされたのだ。夫婦の愛は日に日に深まっていったが、病や戦争で子供たちを失ってしまう。
そんなヴァランティーヌに再び喜びをくれたのは、無事に成長した息子のアンリと幼なじみのマチルドの結婚だった。マチルドの従姉妹のガブリエルと夫も頻繁に訪れるようになり、大家族のような賑やかで幸せな日々が続く。だが、運命は忘れた頃に意外な形で動き始める──。
監督：トラン・アン・ユン
出演：オドレイ・トトゥ、メラニー・ロラン、ベレニス・ベジョ、ジェレミー・レニエ、ピエール・ドゥラドンシャン
2016年／フランス=ベルギー合作／フランス語／カラー／シネマスコープ／1時間55分／
日本語字幕：古田由紀子
配給：キノフィルムズ／木下グループ