河瀨直美監督がオリジナル脚本で挑む全ての人を照らす希望を描く『光』が、5/27(土)に全国公開い たしました。
本作は、人生に迷いながら生きてきた女性が、視力を失いゆく天才カメラマンとの出会いを通して変化していく様子を描く、切なくも希望を感じさせてくれる物語です。

5月17日(水)に開幕した、第70回カンヌ国際映画祭「コンペティション部門」に正式出品され、レッドカーペットには河瀨直美監督他、永瀬正敏、水崎綾女、神野三鈴、藤竜也が登場、公式上映は10分以上のスタンディングオーベーションに包まれるなど大成功を収めた。
そして日本時間5月29日(月)(※現地5月28日(日))に 、カンヌ国際映画祭の独立部門であるエキュメニカル審査員賞を日本時間5月27日(土)(※ 現地同日)受賞!
日本人としては 、2000年に受賞した青山真治監督(『EUREKA ユリイカ』)以来2人目、日本人女性監督としては初の受賞と なった。

カンヌで授賞式を終えたばかりの永瀬正敏が、現在代官山蔦屋書店で行われている写真展“中森雅哉 その眼差し” 開催と映画『光』の公開を記念し、トークイベントを実施しました。
展示されている写真はすべて、映画『光』の主人公・弱視のカメラマン中森雅哉の部屋に飾られていたもので、永瀬自身が、撮影し、選び抜いたも です。

映画『光』 永瀬正敏 写真展トークイベント概要
■日程:5月31日(水) 20:00ー21:00
■会場:代官山蔦屋書店3号館2階 映像フロア(東京都渋谷区猿楽町17-5) 参加者:50名 ■登壇者(敬称略):永瀬正敏(50)

カンヌで映画『光』がエキュメニカル賞審査員賞を受賞した時の思い

アジア映画はなかなか頂けない賞らしくて。日本人女性監督作品としては史上初というすごい名誉で、びっくりしました。
実は 、僕が最初に受賞の結果を聞いてしまいまして。(翌日日本で行われる、フランスと日本とのSkype中継での)
初日舞台挨拶の打ち合わせをスタッフの方としていて。その後ちょっとご飯を食べて、お茶でも飲んでのんびりしていたら、電話がかかってきて。「受賞した!」って。僕も立ち上がって「本当ですか!」って。 監督はちょっと離れたところにいたので、監督に電話が繋がらなくて、僕が一報を先に聞いてしまいまして。
監督とは別のタイミングで電話をするタイミングがあって、僕の口から「監督、(賞を)とりました!」と監督に賞のことを伝えました。(受賞式があと数時間後にあると聞いて)監督は別の場所にいたで、「早く帰ってきてください。僕一人で授賞式に参加しなくちゃならないから。」と言って、監督は 慌てて帰ってきてくれました。

カンヌ国際映画祭で最初の賞の発表だったらしくて、バタバタになってしまいました 。監督も泣いていらっしゃいました。

ジュリエット・ビノシュが「素晴らしかったわよ!」と声をかけてくれて。他にも、デヴィッド・リンチ監督や、フランスの女優さ ん、映画監督、来る人来る人「すごい!すごい!」と言っていただけて。そんなに素晴らしい賞をいただけて、監督とふたりで喜んでいました。

チーム『光』 監督と僕とプロデューサーの3人だった で、すっかり緊張してしまって。でも、そんなに素晴らしい賞をいただけて、監督と二人で喜んでいました。

世界35カ国で、映画『光』 上映が決まったことについて

カンヌ期間中だけで決まったので、びっくりしました。これとは別に各国のエアラインでの上映も決まっているそうなので、 今後ももっと増えそうな勢いだそうです。『あん』は50カ国での上映だったんですけど、それを超えるだろうと言われています。色々な国で上映して欲しいです 。僕の声がいろんな声で吹き替えられるか、聞いてみたいです。現地で(吹き替えされた上映を)観てみたいですね 。

3度目のカンヌで胸に刻まれた思い

(テロなどもあり)いつもと雰囲気自体が違って、厳戒態勢でした。
公式上映の時は前の道が全く進めないくらいで。
(上映後)お声がけ頂ける人があまりにも多くて本当にびっくりしました。特に監督は、普通に街を歩いていられないくらいでした。 僕は、恰幅のいい方にずっと手を握られたまま、ずっと感想を言われたんですけど、いつこの手を離せるんだろうって(笑)。
「今回 コンペティションは負のテーマが多かったけど、『光』はその後の光が描かれている。
今、世界がこんな情勢だからこそ、今、光が必要なんだ!」って唾がとぶくらいの距離で言われて(笑)。そういう人がすごく多くて。監督は素晴らしい作品を作ったんだなって、改めて思いました。

公式上映後 10分間のスタンディング・オベーションもすごかったですね

スマートに立ち上がりたかったんですけど・・(笑)。
(この作品 )ラストシーンに仕掛けがあって、そ 度に会場内からすご い拍手があって。その瞬間、瞬間に色んな人の顔が浮かんでしまって、立てなくなってしまいました。大失敗です(笑)あんな顔、世界中の人にみせたくなかった・・(笑)

カメラマンとしても俳優としても活躍しているが、自身と役 「中森雅哉」の共通する部分

永瀬:自分のおじいちゃんも写真家を途中で諦めざるを得なかった人なので。
おじいちゃんと一緒に(その場所に)立てるなと思ったことと、最後のセリフを読んだ時に 、堪えきれなくなりました 。素晴らしいセリフで終わられるので。

雅也の部屋の写真も実際永瀬さんが飾られた

永瀬:監督と美術部さんと話しながら、奈良で実際にやりました。
1週間〜10日間はそれにかかりきりで。実際自分で作りま した。劇中に出てくる雅哉の写真集も90ページくらいあるんですけど、過去の作品も含め、実際自分で全部撮影したもので、 180点くらい選びました。

写真展にも展示されている、永瀬さんが実際に撮影された夕陽の写真について

夕陽のシーンをとるのに僕は 5日間かかったけど、監督は撮影でその日に撮れちゃうんです。映画に愛されていますよ 。
午後、雨が降って欲しいというと、本当に降りますから 。
(周り )どういうことって?(笑) 自然の移り変わりも一緒に映画におさめたいという思いが、きっと通じるんでしょう 。

握手や写真撮影など、来場者からのリクエストすべてに答え、滲み出る人柄の良さを感じさせたトークイベントとなりました。

河瀬直美監督カンヌ国際映画祭出品『光』予告

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STORY:
視力を失いゆくカメラマンと出逢い、美佐子の中の何かが変わりはじめる―
人生に迷いながら、単調な日々を送っていた美佐子 (水崎綾女)は、とある仕事をきっかけに、弱視の天才カメラマン・雅哉(永瀬正敏)と出逢う。美佐子は雅哉の無愛想な態度に苛だちながらも、彼が撮影した夕日の写真に心を突き動かされ、いつかこの場所に連れて行って欲しいと願うようになる。命よりも大事なカメラを前にしながら、次第に視力を奪われてゆく雅哉。彼と過ごすうちに、美佐 子の中の何かが変わり始めるーー。

監督・脚本:河瀨直美
出演:永瀬正敏 水崎綾女 神野三鈴 小市慢太郎 早織 大塚千弘/大西信満 堀内正美 白川和子/藤竜也
配給:キノフィルムズ/木下グループ
宣伝協力:フリーストーン
©2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、KUMIE
2017 年 / 日本・フランス・ドイツ合作 / 102 分 / カラー

新宿バルト9、梅田ブルク7ほか 大ヒット上映中!