嗚呼!銀幕の女神様♡第5回
M男に出会いSに目覚めるご主人様系女子!果たしてこれは一言で変態と言っていいものか??


花粉の季節を乗り越え、ようやく春かと思ったらすっ飛ばしてもう夏みたいな陽気ですね。
お久しぶりです!渋江譲二です。

春服買う必要なし!

この連載もついに第5回。4回目を書き終えた時、改めて思いました。
「ネタ探すの難しい・・・・。」
特徴ある女性キャラクターはいっぱいいますが、共感したり掘り下げたいと思うキャラクターってなかなか見つからないものですね。
オススメ作品あったら僕のTwitterに教えてくださいね!→@shibue0315


さてさて今回のテーマは「SとMの関係」。

恋人の間だけではなく、あらゆる人間関係の中にもなんとなく存在するであろう「攻め」と「受け」。
そんな関係性がエスカレートするとこんなことに・・・・?


今回取り上げる作品は、、、もう18年も経つのか!

https://movies.yahoo.co.jp/movie/月光の囁き/161307/

『月光の囁き』1999年公開作品
監督・塩田明彦

原作は週刊ヤングサンデーで連載されていた漫画作品です。


日高拓也と北原紗月は同じ高校の剣道部で汗を流す仲の良い友達。
お互い好意があった2人だが、ひょんな事から紗月が拓也に想いを伝え、晴れて2人は付き合うことに!
自転車2人乗りで登校。図書館デートでキス。
風邪を引いた拓也のお見舞いに来た紗月、2人はそこで初めて結ばれて・・・・、

と、ここまでは普通の学園恋愛モノ。
しかし拓也には普通の恋愛では満たされない特殊な癖(へき)が。
元々紗月のことを好きだった拓也は、紗月を隠し撮りした写真や、紗月が使った物を隠し持ち、ついに紗月のトイレを録音したテープが本人に見つかり破局。

それ以降、そんな癖がバレても紗月に食い下がる拓也。
それに激しく嫌悪する紗月。
しかし、次第に2人の関係は妙なことに・・・・。


僕はこの作品を初めて観た時衝撃を受けました。
それと同時になんと言うか・・・、愛し合うことにもいろんな形があるんだなぁと改めて思いました。。

今回気になった女性キャラクターはもちろんヒロイン、
つぐみさん演じる北原紗月ちゃん!JK!!

『月光の囁き』スクリーンショット

youtu.be

まだまだ制服の似合う時代のつぐみさん。不思議な妖艶さがステキです。
個人的には『贅沢な骨』(行定勲監督作品)の時のつぐみさんの可愛さとエロスがとても印象的でした。

紗月ちゃんは拓也の特殊な性癖に気付き、思わず罵ります。

「変態!!!!」

もうこれ以上ない的確な表現ですね。
僕なんかは普段変態と言われると褒め言葉にしか聞こえない(それもヤバイ)けど、拓也の曲がった愛情表現は、普通の女子高生からしたら変態の他に何者でもないわけです。

初めは拓也に激しく嫌悪していた紗月ちゃん。
しかしマゾヒスト丸出しで食い下がる拓也に、隠れていたサディスティック心をくすぐられる紗月ちゃん。
次第に拓也の傷付いた表情に快感を覚えていくのです。


紗月ちゃんは元々平穏な恋愛を望んでいた普通の女の子。
しかし拓也が惹かれていたのは、剣道をする時の相手を威嚇した鋭い目をした紗月ちゃん。

恋人にしか見せない姿が普段見る彼女の印象とは異なり物足りなさを感じる。。

皆さんもそんな経験ありませんか?

「あれ?思ってたのと違う・・・」って。

拓也はそんな「攻め」の紗月ちゃんを引き出すためにわざと彼女が嫌悪することをしていたのかもしれませんね。。


次第にエスカレートする紗月ちゃんのS心。

ついに自分に好意のある剣道部の先輩を誘い込み、身を潜めていた拓也に向けて、先輩に抱かれる姿を見せつけるのです!

抱かれている最中も拓也の存在ばかりを気にする紗月ちゃん。
もはや目の前の男は、拓也の精神を追い込む道具に過ぎません。
そして事後、かいた汗を拓也に舐めさせ・・・・、


ギャーーーー!!!紗月ちゃん過激過ぎる!!!!


あのキラキラした目で愛犬を散歩させ鼻歌を歌っていた可愛い紗月ちゃんはどこに!!!

・・・・・いや、これはこれでイイね 笑

こうして「S」と「M」の関係性が2人の間に成り立っていくのでした。

『月光の囁き』スクリーンショット


そういえば僕は普段から思っているのですが、
日常でみんな「S」や「M」を安易に使い過ぎなんじゃないかな?と。


よくあるのが合コンの席。
お酒が進むとほぼ確実にある(気がする)のがSかMかの発表会。

そこである女は言います。

「私ドMなんだよねぇ~」

ある男は続きます。

「俺ドSだわ~」


いやいやいや!ちょっと待て!!
お前ら「ド」って!!!
マジで言ってんのか!!?

本当のドSドMの方達を知っているのでしょうか?
というか失礼です。

骨を折ることに喜びを感じ、血を流すことに興奮する本当の変態達を見たことがあるのでしょうか!?(これは私も想像で言っています)


何が言いたいかというと、そんなに偏った人間なんて滅多にいないんだってこと。

自称ドMの女はただ少し言葉でいじめられたいだけ。
自称ドSの男は少し関係性の中で優位に立ちたいだけ。

その程度のものです。
普通です。


徐々にサディスティックな部分のある自分に気付き、それを否定するように悩んでいた紗月ちゃん。
きっとそんな自分に驚き、戸惑っていたでしょうし、拓也のことよりも自分自身に嫌悪していたかもしれません。

しかしそれも普通の延長でしかないことで。

少しエスカレートはしてしまったけれど、この関係性も愛は愛。
きっとこのカップルはこの関係性で成り立っていくのでしょう。


ちょっと人に隠したい自分の癖やフェチズム。
そこを理解してくれる、マッチする相手に巡り会えたら素敵ですね!

最後に、僕がこの作品で1番印象に残ったセリフ。
他の男に抱かれた紗月ちゃんに対して拓也はこんなことを言っていました。

「紗月が別の男と愛し合ってても、そこに俺の知らない紗月がいるなら知りたい」

聞く人が聞けばゾッとするセリフかも知れませんが、僕はなんかそれが分かる気がして・・・・・、

あっ、
ちょっと癖があるのでしょうか。。

『月光の囁き』

出演 
水橋研二、つぐみ
関野吉記、井上晴美、草野康太、藤村ちか、相沢しの

監督:塩田明彦
製作総指揮:中村雅哉
プロデューサー:根岸洋之、中村聡
ラインプロデューサー:大里俊博
脚色:塩田明彦、西山洋一
企画:吉田達、莟宣次
撮影:小松原茂
音楽:本多信介
音楽プロデューサー:石川光
美術:安宅紀史
編集:菅野善雄
衣装(デザイン):丹下愛
装飾:天野竜哉
録音:坂上賢治
スクリプター:外間伸子
スチル:長浜谷晋
音響効果:柴崎憲治
整音:安藤邦男
制作担当:梶川信幸
助監督:久保朝洋
製作:日活
配給:ビターズ・エンド

著者 

渋江譲二(しぶえ・じょうじ)
1983年3月15日生まれ。長野県出身。2003年にドラマ『美少女戦士セーラームーン』タキシード仮面役でデビュー。
主な出演作はEX『仮面ライダー響鬼』(2005)、TBS『砂時計』(2007)、NTV『ホタルノヒカリ』(2007)、映画『クロサワ映画』(2010)、『ふるさとがえり《主演》』(2011)など。AbemaTV『特命係長 只野仁』にレギュラー出演中。
公式ブログ『矛盾の男』http://yaplog.jp/shibue-jouji/
公式Twitter @shibue0315