カンヌ国際映画祭では、映画祭の会期中に世界の映画人、マスコミが集まることから多くの映画のセールスの場になり、プロモーションの場所にもなります。

そんな中で、5月18日(現地時間)に新たにリリースがなされ、大きく世界のメディアに取り上げられたのが故黒澤明監督の未映像化脚本9本が、中国のモバイルゲームアプリの会社JINKE Entertainment (ジンカ・エンターテインメント)によって映画化権を所得し、映画化されるという発表でした。

すでに、シネフィルでお伝えしたように未完の作品の中から、『黒き死の仮面』は同じく中国の華誼兄弟(フアイ・ブラザーズ・メディア)によって2020年に公開される予定になっているが、今回の発表はそれとは違う9本の脚本。

複数の海外のメディアによると、第1弾作品としては、戦国時代の特殊な才能を持った侍を描いた「Silvering Spear』で2018年に撮影を開始し2020年の公開を目指している。
今作においては中国で製作され、中国語の映画となるがその後の作品については今後の製作パートナーによって撮影や言語は確定はしていないともいう。

またその場でJINKE Entertainmentからは「モバイルゲームで成功したように、新たに映画界での成功を考えており、その最初の映画プロジェクトが映画界の最も尊敬された監督作品を扱わせていただくことに、我々はひどく謙虚な気持ちになります。彼の最後の映画プロジェクトの1つを高いクオリティでつくりあげることによって、アジア映画のマスターの成し得た仕事を守っていきます。」とコメントし、黒澤監督の孫で、黒澤プロダクションを率いる加藤隆之氏は、「我々は世界中の何百万ものファンに対して、彼の最終的な傑作の一つをお観せできる機会となり非常に楽しみにしている。」と語ったという。