気鋭の独立プロデューサーが結集して閉塞的な日本映画界に風穴を開けようと試みて、1990年代にユニークな傑作群を送り出した“アルゴ・プロジェクト”を特集した上映が6月3日より川崎市市民ミュージアムで「アルゴ・プロジェクト特集 ~1990年代傑作選」として開催されます。

中原俊監督の名作『桜の園』や三谷幸喜の戯曲の初めての映画化作品『12人の優しい日本人』、石井隆監督の初めての一般劇場公開用映画『死んでもいい』など興味が湧く作品が集まります。
また、萩原健一、奥田瑛二の円熟期にかかる演技はもちろんのこと、浅野忠信、永瀬正敏、豊川悦司などの若き日の出演作品をお楽しみいただけます。
個性豊かな俳優陣と新進監督たちを起用した映画の冒険をお楽しみください。

「アルゴ・プロジェクト特集 ~1990年代傑作選」

■上映作品【9作品・各2回上映】

『櫻の園』
監督:中原俊/1990年/カラー/35mm/96分/
出演:中島ひろ子、つみきみほ、白島靖代

上映日:6/3(土)11:30-、6/18(日)14:30-
吉田秋生の漫画を原作に、女子高演劇部の開演前の騒動を通じて少女たちの友情を描いた群像ドラマ。若手女優22人の競演がみずみずしい青春映画の傑作としてヒットし、数多くの受賞に輝いた。

『12人の優しい日本人』
監督:中原俊/1991年/カラー/35mm/116分/
出演:塩見三省、豊川悦司

上映日:6/3(土)14:30-、7/1(土)11:30-
劇作家・脚本家として頭角を現した三谷幸喜の戯曲の初めての映画化作品。『十二人の怒れる男』のオマージュとして日本の陪審制を仮想した密室劇で、存在感を示した豊川悦司がブレイクした。

『あいつ』
監督:木村淳/1991年/カラー/35mm/119分/
出演:岡本健一、石田ひかり、浅野忠信

上映日:6/4(日)11:30-、6/17(土)14:30-
世紀末の東京、いじめられっ子の男子高校生が不思議な少女と出会い超能力を得る。妄想と現実が交錯する日常系SF青春映画。10代の浅野忠信の映画出演3作目で俳優開眼のきっかけとなった。

『死んでもいい』
監督:石井隆/1992年/カラー/35mm/117分/
出演:大竹しのぶ、永瀬正敏、室田日出男

上映日:6/4(日)14:30-、6/18(日)11:30-
日活ロマンポルノの脚本・監督で注目を集めていた石井隆の初めての一般劇場公開用映画となった監督第3作目。人妻と青年の究極的な情愛のドラマを描いて、国内外で高く評価された。

『喪の仕事』
監督:君塚匠/1991年/カラー/35mm/109分/
出演:永瀬正敏、田村翔子、藤井かほり

上映日:6/10(土)11:30-、7/1(土)14:30-
大学時代の友人の死をきっかけに再会した仲間たち、生と死というテーマに直面して揺れ動く24歳の青春群像ドラマ。25歳の君塚匠が実体験をもとに撮りあげた長編劇映画第1作。

『ありふれた愛に関する調査』
監督:榎戸耕史/1992年/カラー/35mm/107分/
出演:奥田瑛二、世良公則、津川雅彦

上映日:6/10(土)14:30-、6/24(土)11:30-
関川夏央の小説「名探偵に名前はいらない」を荒井晴彦の脚本により映画化。しがない中年探偵を演じた40代の奥田瑛二が出色で、都会の片隅の人間模様を描き出した傑作ハードボイルド映画。

『渋滞』
監督:黒土三男/1991年/カラー/35mm/109分/
出演:萩原健一、黒木瞳

上映日:6/11(日)11:30-、6/24(土)14:30-
年末のマイカー帰省ラッシュを喜劇タッチで描く。大渋滞に巻き込まれながらも、千葉から岡山の離島まで故郷を目ざして進む、親子4人の踏んだり蹴ったりの珍道中ロードムービー。

『ひき逃げファミリー』
監督:水谷俊之/1992年/カラー/35mm/106分/
出演:長塚京三、中尾ミエ、ちはる

上映日:6/11(日)14:30-、6/25(日)11:30-
父親が起こしたひき逃げ事件の証拠隠滅をはかろうとして、バラバラだった家族が一致団結するというブラックコメディ的ホームドラマ。水谷俊之の一般劇場公開用映画監督デビュー作となった。

『さよなら、こんにちわ』
監督:福田陽一郎/1990年/カラー/35mm/90分/
出演:南果歩、佐野史郎

上映日:6/17(土)11:30-、6/25(日)14:30-
トレンディな都会の風景を舞台に、奥手な男性と奔放な女性のすれ違いを描いたロマンティック・コメディ。舞台「ショーガール」等のミュージカル演出で活躍していた福田陽一郎を監督に起用。

■上映スケジュール
6/3(土)
11:30『櫻の園』
14:30『12人の優しい日本人』

6/4(日)
11:30『あいつ』
14:30『死んでもいい』

6/10(土)
11:30『喪の仕事』
14:30『ありふれた愛に関する調査』

6/11(日)
11:30『渋滞』
14:30『ひき逃げファミリー』

6/17(土)
11:30『さよなら、こんにちわ』
14:30『あいつ』

6/18(日)
11:30『死んでもいい』
14:30『櫻の園』

6/24(土)
11:30『ありふれた愛に関する調査』
14:30『渋滞』

6/25(日)
11:30『ひき逃げファミリー』
14:30『さよなら、こんにちわ』

7/1(土)
11:30『12人の優しい日本人』
14:30『喪の仕事』
※各回入れ替え制です。15分前に開場します。

■会場:川崎市市民ミュージアム
■日程:6/3(土)、4(日)、10(土)、11(日)、17(土)、18(日)、24(土)、25(日)、7/1(土)【9日間】
■入場料金(1プログラムにつき)
当日券:一般600円、65歳以上・大学生・高校生500円、小中学生400円
(未就学児、障害者手帳等をお持ちの方及びその介護者無料)