南カリフォルニア大学映画学部の監督とニューヨーク大学芸術学部のプロデューサーによる、東京を舞台にした社会派中編映画『追憶と消失』
30年ぶりの北朝鮮拉致事件に動揺する現代の日本を舞台にしており、メディアの餌食にされてしまう被害者家族に焦点を当てた映画です。

実際の事件とは関係のないフィクションですが、一連の拉致事件が再発したときに 日本社会がどう反応するのか、国民は事件をどのように受け取るのか、私たちの感じている日本の「不可解さ」を浮き彫りにするという目的のもと本作を制作しました。

日本映画の多くはこういった扱いづらいテーマを控える傾向にあります が、ニュースやドキュメンタリーとは違う「フィクション」だからこそ受け入れ やすい物語や、見えてくる問題があるはずです。

【監督メッセージ】


毎年多くの映像作品や企画が「自主規制」の波に飲み込まれ、日の目を見ることなく消えていきます。 その規制の対象は暴力・性的表現に関わらず、政治・思想・歴史観など、「扱いづらい」と判断されたものにも及びます。

しかし、海外、特に欧米の映像作品にはそういった「扱いづらい」とされるテー マが多く取り入れられているという現実があります。 それらの作品は、様々な議題や問題を俯瞰で見るキッカケとして機能するため、人々の生活や文化の中心に位置付けられています。 映画にはそれだけの力があります。その可能性を邦画から「自主規制」で簡単に拭い去ってしまうのは、あまりにも勿体ないと思いませんか。

「最近の邦画には骨がなく、色もなく、未来もない。」

アメリカに住む僕は、海外の映画ファンや業界人がそのように考えている事実を知り、日々悔しい思いをしています。 ですが、インターネットの発展のおかげで、その「自主規制」の壁が少しずつ取り壊されてきています。
無料の動画サイトや海外のオンデマンドが日本に上陸したことにより、今までとは異なった方法で制作者と消費者を繋げる基盤が築かれたのです。
もしかすると、これは新たな映像制作の時代の幕開けなのかもしれない。 そこに可能性を見出した僕たちは、すぐに本作の企画に取り掛かり始めました。

「追憶と消失」の制作費の出資は、自分たちだけで行なっています。その理由は、 北朝鮮の拉致問題や日本社会の現実などについて僕たちが感じていることを、ありのまま映像化したかったからです。 そして本作の制作は、海外の映画制作者と同じ土俵に立つため、世界各地の映画祭への出品を前提に進めました。 そこには、ただ単に英語字幕をつけるだけではなく、「海外から見た日本」ということを常に意識しながら作ったという経緯があります。
今、ポストプロダクショ ンも終盤に差し掛かり、自信を持って映画祭に出品できるだけのクオリティに達したと自負しています。

現在、クラウドファンディング 募集中!

しかし、海外の映画祭の応募費用は非常に高く、58 分という長さの都合上、ほとんどの映画祭に長編映画扱いとして出品することになります。 本作にわずか でも価値を見出してくださった方がいれば、最後の一押しとしてのサポートをお願いします!

『追憶と消失』予告

映画『追憶と消失』予告2

youtu.be

【あらすじ】
「30 年ぶりの拉致被害者は、私たちの弟だった。」 都内近郊に住む私たち柊家 はある冬の夜を界に「被害者家族」となり、日本中の同情を一身に受ける存在になった。 しかしSNS を中心に広まったある「陰謀論」をキッカケに、私たちは無慈悲な中傷や批判に晒されるようになってしまった。
私たちの両親が家族のイメージアップに尽力し始めたのと同じ頃、今度はボクシングのトレーニングに突然没頭しはじめた大学生の長男が話題となり、世間の冷ややかな態度に一層拍 車がかかった。 弟の危機がまるで嘘のようにストイックなトレーニ ングを続ける長男。 3 日後に練習試合を控えた彼のそんな異様な行動に、本当は何か深い意味があるのではと、私は疑いはじめる。

【スタッフ】
制作総指揮・監督・脚本:坪田孝明
プロデューサー:多賀夕夏/高木悠衣
撮影監督・カラリスト:廣田恒平
録音・音響効果:佐々井宏太 美術:木俣恵太 ヘアメイク:平河 理桜
音楽:永井カイル 主題歌「追憶」: May
協力:finitto Inc.
【キャスト】
川島祐樹 瑞貴 小野孝弘 泉水美和子
細井学 金田侑生 峰岸さや 桜木綾
松浦慎一郎(特別出演)

その他詳細は下記より