嗚呼!銀幕の女神様♡ 『愚行録』

第4回「世渡り上手の腹黒女子!?でも生き方としては正解ですよねぇ、、」


今年はアクティブにスカイダイビングに挑戦したいなんて柄にも無いことを目論んでいる渋江譲二です。こんにちは。
バンジーはダメです。地面見えるからダメです。恐い。

さて!気になる映画のヒロインを分析・妄想していくこの連載も第4回!
周りから「読んだよ!」というお声を時々いただきますが、なぜか誰も感想を言ってくれません・・・・。
どうだったんだよ、おい。

今回の映画はこちら!
2017年公開『愚行録』監督:石川慶

映画『愚行録』/(C)2017「愚行録」製作委員会

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観てきました!
いや~、一言で「重い」です。

エリートサラリーマンの一家が殺害され、犯人が捕まらないまま一年。
週刊誌記者の田中(妻夫木聡さん)は取材で被害者の関係者にインタビューをしてまわる。
それをキッカケに人の欲や嫉妬に触れ・・・・。

こういった人間の醜い部分が題材の映画は大好きです。

誰もが自分のために生き、日常で小さい嘘を重ね自分を偽る「愚行」を繰り返している。
きっとそれに気付かないフリをしてみんな生きているのだと思うんです。
そんな身近な題材であり、それが行き過ぎる恐いお話でした。

そんな愚行を繰り返す登場人物の中で気になった女性キャラクターがこちら。

映画『愚行録』/(C)2017「愚行録」製作委員会

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松本若菜さん演じる友希恵ちゃん!
彼女は紛れも無い「リア充」。
「リア充爆発しろ!」という言葉がネットで飛び交う(ひと昔前か?)ように、リア充というのはなかなか好かれないもの。
だってリアルに充実しているんですもの。。
SNSにあげるオシャレな仲間たちとのパーティで酒を片手に腕を信じられないほど高らかに上げてのピース写真、
恋人とのツーショットを何故かネコミミ加工したイチャイチャ写真、
「今日さむ~い(>人<;)」というコメントに対して関係のないキメ顔自撮り画像、、

そんな写真の数々にイラ立つ非リア充民。
しかし結局それも嫉妬。ホントはなりたいリア充民。。
定義付けは難しいけど、きっと周りからみてリア充ならリア充なんだろうな・・・・。

(※この先、作品の核心的な部分には触れない程度のネタバレ的なことも含まれている可能性があります。
一切知りたくない方はご注意ください。)

友希恵ちゃんが通う文應大学(おぼっちゃま・お嬢様学校)は、付属高校から入学した「内部生」と、そうでない「外部生」の明らかな格差が存在していた。
華やかで家柄の良い内部生に擦り寄ろうとする外部生も少なくない。

友希恵ちゃんは外部生。
しかし入学早々から内部生グループの仲間入り。
持ち前の美貌と人当たりの良さでまんまと外部生を出し抜くのです。

ただただ人当たりが良かったのか、それとも女を使ったのか・・・・、
しかし本人は至って意地汚い欲深い姿など他人に見せることもなく、ごくごく自然に振舞うのでした。

彼女は当然ながら子供の頃からクラスの中心人物だったでしょうし、何なら間接的ないじめっ子だったことも予想してしまいます。
そして大人になるにつれ他人からの見え方を気にし出し、今の処世術を身に付ける。

当然ながらステータスの高い男のハートを射止め、不自由ない結婚生活・・・・。

うーん、とにかく生き方が上手い。

友希恵ちゃんを見ていて思い出したのが僕が中学校時代の友人A君。
僕の通っていた中学にもやはり目に見えぬカーストは存在していて、僕はいわゆる1番上のグループに入る可能性など無い下のグループ。

当時A君は1番といっていいくらいつるんでいた友人だったのだけど、A君は持ち前のスネ夫のようなゴマ擦り技術で上のグループにも出入りするようになった。
今思えば彼は人一倍カーストを意識していた気がします。
それでも僕らはつるんでいたし、そのことは何とも思っていなかった。
しかし何故か次第に上のグループの一部に悪い目で見られ始めた僕。
キッカケはよく覚えていないけど、そのことが当時はすごく苦痛で。
田舎の学校ってちょっとした個性を許さなかったり、みんなで叩いたりする傾向があるんですよね。多分それだと思いますが。
A君から伝わる上グループの情報にストレスを感じ始めた僕。
A君は一緒になって上グループの悪口を言っていたので当然味方と思っていた。
しかしこれは後ほど気付くことになるのだけど、
A君は上グループでは僕の悪口を言い、僕には上グループの悪口を言うとんでもない八方美人だったわけで。
お互いの憎しみ合いの火に油を注ぎ拍車をかけていたのは他ならぬA君だった。

A君の処世術が、確実に当時の僕を苦しめていたことは、少なからず大人になった僕にも影響を与えている気がするんです。

多感な時期の忘れられないちょっとしたトラウマはきっと誰にでもあるのでは??

友希恵ちゃんは思春期にスクールカーストのどこに位置していて、どんな生き方をしてきたのでしょうか。。

友希恵ちゃんのような女子は確かに存在する。
可愛いしホントに良い子だなぁ、、と思っていた女子が時折見せる他人へのライバル心や嫉妬心。
人を出し抜いた時の優越感。

それを上手く隠しながらも「私はあのコ好きなんだけど」など前置きをしながら欠点を他人に漏らし、周りから悪いイメージを固めていく女子は実際少なくない。

そんな姿に「ひ~!オンナ恐!!」と思いつつ、
男には可愛い顔を見せるそんな女子を結局許し目をつむってしまう愚かな僕たち男子。

愚行男子・・・・・。

映画 『愚行録』予告編【HD】2017年2月18日公開

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出演:妻夫木聡、満島ひかり
小出恵介、臼田あさ美、市川由衣、松本若菜、中村倫也、眞島秀和、濱田マリ、平田 満
原作:『愚行録』貫井徳郎
脚本:向井康介
音楽:大間々昂
監督:石川慶
配給:ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野

筆者紹介

渋江譲二(しぶえ・じょうじ)
1983年3月15日生まれ。長野県出身。2003年にドラマ『美少女戦士セーラームーン』タキシード仮面役でデビュー。
主な出演作はEX『仮面ライダー響鬼』(2005)、TBS『砂時計』(2007)、NTV『ホタルノヒカリ』(2007)、映画『クロサワ映画』(2010)、『ふるさとがえり《主演》』(2011)など。AbemaTV『特命係長 只野仁』にレギュラー出演中。
公式ブログ『矛盾の男』http://yaplog.jp/shibue-jouji/
公式Twitter @shibue0315