今年、節目の第70回目を迎えるカンヌ映画祭。

この連載では、毎年5月に催される世界最高峰の映画祭の昨年の模様をまとめてレポート!

この映画祭の魅力をお伝えします。

第69回カンヌ国際映画祭便り【CANNES2016】16

映画祭10日目の20日(金)。プレス・ランチの後、ショーン・ペン監督の『ザ・ラスト・フェイス』の公式記者会見に参加。そして河瀬直美監督が審査員長を務める“シネフォンダシオン”部門の授賞式に立ち会った。

ショーン・ペン監督の『ザ・ラスト・フェイス』は、アフリカで働く国際援助機関の人々を描く社会派ラブストーリー!

“監督週間”で上映された1991年の『インディアン・ランナー』で監督デビューを飾り、その後の監督作も高く評価されている演技派俳優ショーン・ペン(カンヌでは1997年の『シーズ・ソー・ラヴリー』で男優賞を獲得!)。環境保護活動にも熱心なことで知られる彼が、当時の恋人であるシャーリーズ・セロンをヒロインに据え、西アフリカの内戦地帯で活動する国際医師団の苦闘を描いたのが『ザ・ラスト・フェイス』だ。

リベリアで、国際援助機関のディレクターとして働く女性レン(シャーリーズ・セロン)は、活動を通じて出会った男性医師ミゲル(ハビエル・バルデム)と惹かれあうが、村人が頻繁に虐殺される凄惨な状況となり……。
出身国の南アフリカで、貧困改善やエイズ教育を支援する慈善団体を立ち上げたシャーリーズ・セロンの意思が大きく働き、実際にも南アフリカで撮影を敢行した本作だが、ロマンス要素を入れたことで、散漫な物語になってしまった感は否めない。

夜の正式上映に先立ち、14時半から行われた公式記者会見には、ショーン・ペン監督とプロデューサー、俳優陣のシャーリーズ・セロン、ハビエル・バルデム、アデル・エグザルコプロス、ジャン・レノ、ズービン・クーパー、ジャレット・ハリスが登壇した。 

『ザ・ラスト・フェイス』の記者会見 Photo by Yoko KIKKA

監督に専念したショーン・ペン Photo by Yoko KIKKA

シャーリーズ・セロン Photo by Yoko KIKKA

ハビエル・バルデム Photo by Yoko KIKKA

ジャレット・ハリス Photo by Yoko KIKKA

大物カップルがダッグを組んだことで、大きな話題を集めた『ザ・ラスト・フェイス』だが、既に破局してしまったショーン・ペンとシャーリーズ・セロンは、離れて着席。会見中も一度も互いに目を合わせない2人に共演者たちも気を遣いを見せ、何とも“イタイ”場となった。

左からアデル・エグザルコプロス、ショーン・ペン、ズービン・クーパー Photo by Yoko KIKKA

“シネフォンダシオン”部門の第1席に輝いたのは、イスラエルのオア・シナイ監督の『アンナ』

18日から3日間に渡って全18作品が上映された“シネフォンダシオン”部門(学生作品が対象)は、本日、11時から上映されたプログラム〈4〉をもって終了。
その授賞式が16時半からパレ・デ・フェスティバル内にある中規模会場“ブニュエル”で行われた。

河瀬直美監督 Photo by Yoko KIKKA

この部門の審査員を務めたのは河瀬直美監督(審査員長)以下、フランスの女優マリ=ジョゼ・クローズ、フランスの監督ジャン=マリー・ラリユーらの総勢5名。
授賞式では河瀬直美監督が総評を述べ、当部門を立ち上げた映画祭前会長のジル・ジャコブも登壇。この部門にかけた熱い想いと今後への期待の弁を滔々と述べている。そして、授賞式に引き続いて同部門の受賞作のスクーリニングが行われた。受賞結果は以下の通り。

☆第1席:『アンナ』オア・シナイ監督(イスラエル)
☆第2席:『イン・ザ・ヒルズ』ハミド・アハマディ監督(イラン)
☆第3席:『ザ・ノイズ・オブ・リッキング』ナージャ・アンドラスヴ監督(ホンジェラス)
☆第3席:『ザ・ギルト、プロバブリィ』マイケル・ラバーカ監督(ベネズエラ)

(記事構成:Y. KIKKA)

吉家 容子(きっか・ようこ)
映画ジャーナリスト。雑誌編集を経てフリーに。
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