92歳を迎え、いま語られる伝説的写真家の人生ー
フランクとともに旅をするように綴ったドキュメンタリー
写真界の巨匠ロバート・フランク。
1958年発表の写真集「The Americans」は表層で栄光と繁栄に沸く大国の真の表情を捉え、”その後のアメリカの在り方、見方に圧倒的な影響を与えた一冊” “彼に影響を受けていない写真家はいない”と称される。この作品は現在92歳のフランク自身が自らの人生を語ったドキュメンタリー映画。
ジャック・ケルアックの序文で飾られる1958年出版の写真集「The Americans」は、 60年代以降のアメリカの写真・アート界に大きな衝撃を与えました。 本作はそんなロバート・フランクの人生と彼が見つめた時代を、膨大で貴重な写真や映像とともに、フランクとともに旅をするように綴ったドキュメンタリーです。
写真だけでなく映像作品も数多く監督し、米インディペンデント映画の祖として、ジム・ジャームッシュやリチャード・リンクレーターらからも尊敬を集めているロバート・フランク。
監督は多くのミュージシャンのPVを手掛け、長年に渡り彼の映像作品の編集を担当するローラ・イスラエル。撮影にアメリカを代表する名手エド・ラックマン(トッド・ヘインズ『キャロル』等)を迎え、音楽プロデューサーとしてハル・ウィルナーが参加。
ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、パティ・スミス等の豪華な面々が楽曲を提供している。また、本作公開に先んじて昨秋に開催されたロバート・フランク展は、わずか2週間の会期に2万人以上の動員を記録。いまなお多くのクリエイターやアートファンに影響を与える彼の人生と創作の源を知る作品が日本でも公開決定。
1924年11月9日、スイスのチューリッヒに生まれ、1947年に単身渡米。
自作のポートフォリオが認められて「ハーパーズ バザー」や「ヴォーグ」でファッション写真、 「フォーチュン」等でフォトジャーナリズム作品を発表。1955年にグッゲンハイム財団の奨学金を受けて、アメリカ全土を旅して撮影を行います。 その集大成として1958年にフランスで出版したのが「Les Americains」であり、翌年にはアメリカでも「The Americans」として出版されます。 1960年代からは映画にも活動の幅を広げ、アレン・ギンズバーグを始めとするビートニクの作家たちを映した『プル・マイ・デイジー』(1959)、 ローリング・ストーンズの北米ツアーに同行した『コックサッカー・ブルース』(1972)、トム・ウェイツやジョー・ストラマーも出演した 『キャンディ・マウンテン』(1987)などを監督。
ローラ・イスラエル監督コメント
私が見てきたロバート・フランクという人間を観客に届けることが出来る幸せと、それを許してくれた彼に感謝します」
ローラ・イスラエル監督 プロフィール
米国ニュージャージー州で生まれ、10代の頃からNYのロウアーイースト地区で写真を撮影。ニューヨーク大学在学中からコマーシャルやミュージックビデオの編集で数々の賞を受賞し、大学卒業と同時に自らの会社 Assemblage を設立。制作した主なミュージシャンは、ジョン・ルーリー、ルー・リード、パティ・スミス、キース・リチャーズ、ソニック・ユース、ニュー・オーダー、ジギー・マーリー、デヴィッド・バーン、アーティストではウィリアム・ウェグマン、ローリー・シモンズ、そしてロバート・フランク。2010年に初の長編ドキュメンタリー映画『Windfall』を監督し、トロント国際映画祭でプレミア上映、Docs NYCでトッププライズを受賞。毎年「フィルムメーカー」誌が選ぶ「インディペンデント映画の注目すべき25人」の一人に選ばれている。
Bunkamuraザ・ミュージアムでは、ロバート・フランクとともに、ニューヨークを代表する 写真家ソール・ライターの本邦初となる回顧展も同時開催決定。
「ニューヨークが生んだ伝説 写真家ソール・ライター展」
会期:2017年4/29〜6/25予定
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
『Don’t Blink ロバート・フランクの写した時代』(原題『DON'T BLINK ROBERT FRANK』)
2015 /アメリカ・フランス/82分/DCP/モノクロ・カラー/ 本語字幕:和田絵理
配給:テレビマンユニオン
配給協力・宣伝:プレイタイム
監督: ローラ・イスラエル
撮影: リサ・リンズラー、 エド・ラックマン
編集:アレックス・ビンガム 楽プロデューサー:ハル・ウィルナー
参加アーティスト:ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ローリング・ストーンズ、トム・ウェイツ、パティ・スミスほか
協力 :ジューン・リーフ、ゲルハルト・シュタイデル、トム・ジャームッシュ、シド・キャプランほか