『ディストラクション・ベイビーズ』の真利子哲也監督
パク・チャヌク『お嬢さん』の観かたを完全ガイド!!
『お嬢さん』は監督の愛が詰まった作品
「エンターテイメント性が高く、ユーモアに富んでいる」と絶賛!!

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【真利子哲也監督トークイベント実施レポート】

「このミステリーがすごい!」で第 1 位を獲得したサラ・ウォーターズの「荊の城」が原作と なったパク・チャヌク最新作映画『お嬢さん』(3月3日(金)より公開)ですが、パク・チャヌク監督の大ファンだという、『ディストラクション・ベイビーズ』で鮮烈な商業監督デビューを飾った真利子哲也監督をゲストにお招きし、パク・チャヌク監督のスゴさと、 韓国で400万人以上もの動員を記録した映画『お嬢さん』の魅力について語っていただきました。

■日時:2 月 16 日(木)
■場所:ユーロライブ(東京都渋谷区1−5 KINOHAUS 2F)
■イベント登壇者: 真利子哲也さん(映画監督・35)

何の前情報もなく本作を観たという真利子監督は「パク・チャヌク監督の映画の中で、とにかくエンターテイメント性の高い映画だと思う。自分も映画を作っている身として、映画ってここまで自由に作っていいのだと、すごく開放感を得られた」と率直な感想を述べました。

「韓国の俳優が日本語でお芝居をしていることが、日本語を話せて聞き取れる立場として、違和感は感じるものの、それすら監督は演出として組み込んでいたのではないかというくらい、すごくユーモラスに観れた。パク・チャヌク監督の映画は、過去作品含め難しく見える部分があるが、『お嬢さん』に関しては、ユーモラスな部分が全面に出ていて楽しめた。ハ・ジョンウが何かのインタビューで答えていたが、『オールド・ボーイ』で舌を切られていたのと比べたら、本作の描写は柔らかいという話しをしていた」と話すと、会場からは笑いが起き、「パク・チャヌク監督といえば過激なシーンが多く、身構えてしまう部分があるが、常にユーモアを忘れていないことが良さの一つだと思う」と、本作がいかにパク・チャヌク監督作品の中でもエンターテイメントに富んでいるか、シリアスなシーンでも笑わせてくれる場面があることを語り、本作の観かたを示してくれました。

「パク・チャヌク監督自身来日した時にルキノ・ヴィスコンティ監督『山猫』、ヒッチコック監督の『めまい』、成瀬巳喜男監督の『乱れる』韓国のキム・ギヨン監督の『下女』などを自分の好きな作品としてあげていましたが、過去の監督作品を振返ると、監督の好きなものが入っていて、それに対してのオマージュを捧げており、間違いなく『お嬢さん』も、自分の好きなもの注ぎこんでいると思う」とパク・チャヌク作品を分析し、「映画に対しての愛を感じる」とパク・チャヌク監督への敬意を述べました。

『ディストラクション・ベイビーズ』など、記憶に新しい衝撃の話題作を手がけられた真利子監督ですが、ご自身が『お嬢さん』から受けた影響について、「映画であっても無意識のうちにコンプライアンスを気にしてしまう部分があったが、『お嬢さん』を観たときに、ここまで自由に表現すべきだ、貫き通さなければならない」と感じたという真利子監督。

また、コンスタントに映画を撮り続けており、「公開される作品は必ず観よう」という気持ちにさせ、ファンの心を逃さないパク・チャヌク監督について、「常に面白いことをしていて、それを貫き通しているので、ずっと見ていてしまうし、どの作品も楽しめる」と、映画監督として、そしていちファンとしてパク・チャヌク監督へのラブコールを送りました。

本作は韓国で成人指定ながらも400万人以上を動員する異例のヒットを記録したことに対して、真利子監督が「日本の映画で動員400万人といえば、『ドラえもん』ですよ。成人指定もあり、人口も日本より少ない中でこの400万人という数は本当にスゴい!」と話すと観客からは驚きと感嘆の声が起こりました。
最後に真利子監督から「細かな部分まで計算され、最後まで作り込まれた美学を感じられる映画。注目すべきは、女優2人と、 進むにつれて引き込まれていく3部構成の手法」であると、本作の観かたのガイドをいただきました。

◆真利子哲也(映画監督)◆
東京藝術大学大学院映像研究科の修了作品として制作した「イエローキッド」(10)で劇場映画監督としてデビューを果たし、日本映画プロフェッショナル大賞の新人監督賞を受賞するなど高い評価を得る。若手クリエイター発掘・育成プロジェクト「コ・フェスタ PAO」の映画部門で制作された短編映画「NINIFUNI」(11)は第 64 回ロカルノ国際映画 祭などで特別上映され、第 4 回沖縄国際映画祭の「地域発信型プロジェクト」の一環として製作されたオムニバス映 画「同じ星の下、それぞれの夜」(12)の 1 編「FUN FAIR」でもメガホンをとる。2016 年、商業監督デビュー作「ディストラクション・ベイビーズ」が公開されロカルノ国際映画祭やナント三大陸映画祭を初め国内外数々の映画賞を受賞する。

真利子哲也監督

60 分後の衝撃。120 分後の驚愕。
騙されないと確信した後、あなたが信じていた世界が反転する―
世界中の映画賞を席巻「オールド・ボーイ」パク・チャヌク監督が仕掛けた、映画史に刻まれる罠。

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1939 年、日本統治下の朝鮮半島。孤児の少女・スッキ(キム・テリ)は、 “伯爵”を装った詐欺師(ハ・ジョンウ)にスカウトされ、莫大な 財産の相続権を持つ美しい令嬢・秀子(キム・ミニ)のメイドとして働くことに。秀子は世間とは隔絶した大きな屋敷で、日本文化を崇 拝する支配的な叔父(チョ・ジヌン)とひっそりと暮らしていた。実は詐欺師はスッキとともに秀子を誘惑し、結婚した後、彼女を精神病 院に入れて財産を奪うという計画を企てていたのだ。計画は順調に進むが、献身的なスッキに秀子が次第に心を開いていく...。

シネフィルだけで再生30万回を超えた『お嬢さん』予告

過激でリアルな官能シーンでR-18指定決定 『お嬢さん』予告

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監督:パク・チャヌク (カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞『オールド・ボーイ』) キャスト:キム・テリ、キム・ミニ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン
配給:ファントム・フィルム(2016年/韓国/145分/シネマスコープ/5.1ch/R-18)
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3 月 3 日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー