Producers Guild of America〈プロデューサーズ・ギルド・オブ・ アメリカ〉, 略称: PGA。
全米の映画プロデューサーを中心に映画製作に携わる会員から選ばれる全米製作者組合映画賞だが、もっともアカデミー賞に近い賞の一つとされ、実際に今までもここでの受賞作の多くがアカデミー賞と一致してきている。
そして、今回発表されたのはノミネートで、作品賞の候補に挙がっていないとなかなかアカデミー賞の作品賞の受賞はほぼ無理と思われてもいる重要な賞となっている。
(もちろん、個人賞はまた別ですが--)
今回ノミネート発表となったのは以下の10本。
『メッセージ』Arrival ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督
『デッドプール』Deadpool ティム・ミラー 監督
『Fences』デンゼル・ワシントン監督・主演
『Hacksaw Ridge』メル・ギブソン監督
『Hell or High Water』デビッド・マッケンジー監督
『Hidden Figures』 セオドア・メルフィ監督
『ラ・ラ・ランド』La La Land デイミアン・チャゼル監督
『LION/ライオン ~25年目のただいま~』Lion ガース・デイヴィス 監督
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』Manchester By the Sea
ケネス・ロナーガン監督
『ムーンライト』Moonlight バリー・ジェンキンス監督
今回のこのノミネートを見て面白い現象としては、有名俳優が監督若しくは、プロデュースの関わった作品が4本もノミネートされていることです。
最近は、役者以上に”賞請け負う人”としての素質を見せるブラッド・ピットは今年も大本命となってきた『ムーンライト』のエグゼクティブ・プロデューサーであり、すでにケイシー・アフレックに多くの主演男優賞をもたらせた『マンチェスター・オブ・ザ・シー』はマット・デイモンがプロデュース。
そして、デイゼル・ワシントンは監督・主演で『Fences』をノミネートさせている。さらに第二次世界大戦の沖縄戦を描いたという『Hacksaw Ridge』は『ブレイブハート』でアカデミー賞の監督賞を受賞した俳優メル・ギブソンの久々のハリウッドへの復帰作とも言えます。
今回、ここではランクインしなかったものの、ここにクリント・イーストウッド監督の『ハドソン川の悲劇』が入っていたら、またウォーレン・ベイティが監督そしてハワード・ヒューズを演じている『Rules Don’t Apply』などが入っていた可能性もあったわけでーそう考えると最近のアメリカ映画界の大きい流れとして、今まで以上に製作側にまわる俳優たちが多いことがわかってきますよね。
こういう視点で、このノミネートを見るとブラッド・ピット対マット・デイモンだったりするわけで、こんな見方もありなのでは---