短編映画『冬の蝶』(遠山昇司監督)が、11月8日~11月14日まで開催された「第33回テヘラン国際短編映画祭」(イラン)のアジア・コンペティション部門にてグランプリ(最優秀アジア映画賞)を受賞した事がわかりました。

受賞の遠山昇司監督
https://www.facebook.com/winters.butterfly.2016/

【テヘラン国際短編映画祭とは】 1983年に始まり、若手監督の世界的な登竜門として知られるイラン国内最大級の映画祭です。 今年は、41カ国から100作品が映画祭会期中に上映されました。 また、今年からイランの名匠アッバス・キアロスタミ監督にちなんでキアロスタミ賞が設立され ました。世界117ヶ国から3600本以上の応募があり、 本作「冬の蝶」は、アジア・コンペティ ション部門の12作品の中に選ばれ、グランプリ(最優秀アジア映画賞)を受賞しました。

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受賞理由

映画の世界観がとりわけ美しく表現されている作品であった。
撮影が行われた場所の持つ美しさと家族のあり方が新しい切り取り方で表現されており国を越え
て共感する部分があった。

監督コメント

遠山昇司(とおやま しょうじ):1984年熊本県八代市生まれ。

今まで生まれ故郷である熊本を舞台に4本の作品を撮ってきましたが、海外の国際映画祭でのグランプリ受賞は今回が初めてでした。
熊本の五家荘を舞台に撮影しました本作『冬の蝶』が、33年の歴史を誇り、海外のメジャーな国際短編映画祭でもあるテヘラン国際短編映画祭にノミネートされ、グランプリを受賞できましたことを大変嬉しく思います。 私が今まで描き続けてきました「生と死の姿」とそこから派生する「新しい希望」というものが日本から遠く離れたイランにおいても、共感を得られ、評価していただいたこと。それは、映画が持つ可能性と国境を超えた人とのつながりを改めて感じる機会となりました。
また、今年4月に地震によって被災しました熊本の美しい風景と営みを本作『冬の蝶』を通して、 海外へ発信できたこと。そして、これからもできるだけ多くの方々に届けられたら思っています。

受賞作品

監督・脚本を務めるのは、前作「NOT LONG, AT NIGHT-夜はながくない-」が第25回東京国際映画祭<日本映画・ある視点部門>に正式出品され、新作長編映画「マジックユートピア」(共同 監督:丹修一)は第15回アンカレッジ国際映画祭、第49回ヒューストン国際映画祭にて審査員特別賞をW受賞するなど国際的に高い評価を得ながら、映画以外にも海に浮かぶ廃校を舞台にしたアー トプロジェクト「赤崎水曜日郵便局」(2014年度グッドデザイン賞受賞)の局長・ディレクターを 務める新進気鋭の映画監督 遠山昇司。
本作が映画デビュー作となり初主演を務めるのは、2013 年シングル「JUICY JUICY」で歌手としてメジャーデビューし、原宿のストリートアイコンとし て多方面から熱い支持を得ているモデル・歌手のUna。
2016年1月に平家の落人伝説が残る全国 有数の秘境として知られる熊本県は五家荘にて撮影が行われ美しくも儚い映像世界が誕生した。

短編映画『冬の蝶』予告|ユーロスペース公開

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【ストーリー】
人里離れた山奥の集落で育ったサチ(Una)は、実家を離れて都会で一人暮らしをしていた。ある朝、認知 症の祖母から電話がかかってくる。「おばあちゃん、蝶々をつかまえてきたの。今ね、手の中に隠してる の。今度、サッちゃんと会う時に見せてあげるわね。」しばらくして今度は母からさっきまで電話で話し ていた祖母が危篤であるという連絡が入り、サチは信じられないまま実家へと向かう。実家に到着したサ チは兄から”あの時の蝶”を今朝見つけたと知らされるー。

『冬の蝶』(Winter’s Butterfly) 2016年/19分/カラー
監督/脚本:遠山昇司
エグゼクティブ・プロデューサー:鋤先寛澄
プロデューサー:小山真一、KiNG
撮影監督:森賢一
音楽:志娥慶香

出演
Una|五十嵐靖晃|岩崎幸代|大西靖子

©2016「冬の蝶」 製作委員会