原作:三島由紀夫×監督:吉田大八
三島の異色【SF】小説を現代設定に大胆脚色して放つ意欲作
平凡な家族が、宇宙人に【覚醒】!?

ミシマの異色小説を現代設定に大胆脚色。
平凡な家族が、宇宙人に【覚醒】!?『桐島、部活やめるってよ』(12)で第36回日本アカデミー賞最優秀監督賞および最優秀作品賞を受賞した吉田大八監督の最新映画『美しい星』が製作始動します。

「美しい星」は、三島由紀夫が1962年に発表した、ミシマ文学のなかでは異色の【SF】小説です。
2007年のデビュー以来、独自の世界を生きる、少々思い込みの激しいとらえどころのない人びとの可笑しみを描きつづけてきた吉田大八監督が、学生時代に読んで以来映画化を切望してきたのがこの小説でした。
映画化にあたって監督は、50余年以上前に書かれたこの小説を、現代を舞台に極めて大胆に脚色致します。

主人公の父・重一郎にリリー・フランキー。情熱と使命感に燃える火星人に覚醒します。
長男・一雄には亀梨和也。知性を司る水星人に覚醒します。
長女・暁子には橋本愛。美を象徴する金星人に覚醒します。
母・伊余子には中嶋朋子。なぜか彼女だけ覚醒せず、地球人のままです。

太陽から3番目の惑星・地球。
その「美しい星」を舞台に繰り広げられる、世界救済を大真面目に企む勘違い家族の大暴走のゆくえは?

大島渚監督が映画化を希望!吉田大八監督も学生時代から切望!

原作「美しい星」は、三島由紀夫が1962年に発表した異色の【SF】小説。
刊行当時、「平凡な家族が、ある日突然“宇宙人”に覚醒する」という前衛的過ぎる設定で世間を大いに戸惑わせました。しかしその後右肩上がりに熱狂的ファンを獲得していき、2016年9月現在、58刷495,000部のロングセラーとなっております。

故・大島渚監督も映画化を希望したこの小説を、学生時代からの悲願を遂げて映画化するのは、『桐島、部活やめるってよ』(12)で第36回日本アカデミー賞最優秀監督賞・最優秀作品賞を受賞した監督・吉田大八。
「映画を撮り初める前から『美しい星』を映画にしたいと思っていました。映画監督になりたいというより、『美しい星』を監督したいと思っていました」と熱を込めて語る吉田監督は、本作で、映画の舞台を現代に置き換えるという大胆不敵な脚色に挑みます。

主役の“当たらない”ので有名なお天気キャスター・大杉重一郎にリリー・フランキー。その長男でフリーターの一雄に亀梨和也。長女で美貌の女子大学生・暁子に橋本愛。専業主婦の妻・伊余子に中嶋朋子。
発表済みの以上4名のキャストに加え、本日、大杉一家に近づく謎の存在・黒木克己役として佐々木蔵之介(48)が参戦いたしますことを発表いたします。

(C)2017「美しい星」製作委員会

映画青年だった吉田と同様、演劇青年だった佐々木も、大学在学中に「美しい星」を読んで夢中になり長らく愛読書としてきた一人で、今回「美しい星」が映画化されるなら、しかもそれが吉田大八監督による映画化ならなんとしてでも!と、参加に至りました。

佐々木演ずる代議士秘書の黒木は、ある日フリーターの一雄と出会い、秘書にスカウト。
やがて大杉家との距離を縮めていきます。果たして黒木は敵か味方か? 彼の目的は何なのか?そして彼は人間なのか宇宙人なのか?
佐々木蔵之介を得て吉田監督のなかで大きく深く進化を遂げた黒木像と、それに応える佐々木の“人間離れ”した演技を、今から楽しみにお待ちください。

期しくも本日11月25日は三島由紀夫の命日・憂国忌。
映画や演劇を志す学生たちに強烈なモノづくりの初期衝動を呼び起こす三島の「美しい星」の映画化に、これからもご注目くださいますようよろしくお願い申し上げます。

佐々木蔵之介コメント

大学で芝居をしていた頃、「美しい星」を愛読していました。当時は人間役を演じることの方が少なく、未知の宇宙生物なども多々演じて来ました。劇団名にも「惑星」が付いていました。
奇跡なのか‥運命なのか‥本作品で吉田大八監督と初めて仕事をします。
人間離れした吉田組のスタッフ・キャストにより、至高の三島由紀夫作品となりました。
来年5月の全「宇宙」一斉ロードショー、お楽しみに!

■プロフィール
1968年2月4日生まれ。京都府出身。大学在学中から劇団「惑星ピスタチオ」で看板俳優として活躍。2000年、NHK連続テレビ小説「オードリー」で注目される。以降、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。2005年には自らプロデュースを務める演劇ユニット「Team申」を立ち上げる。主な映画出演作に『間宮兄弟』(06/森田芳光監督)、『アフタースクール』(08/内田けんじ監督)、『大奥<男女逆転>』(10/金子文紀監督)、『岳?ガク?』(11/片山修監督)、第38回日本アカデミー賞優秀主演男優賞受賞作の『超高速!参覲交代』(15/本木克英監督)、『ソロモンの偽証 前篇・後篇』(15/成島出監督)、『夫婦フーフー日記』(15/前田弘二監督)、『残穢【ざんえ】?住んではいけない部屋?』(16/中村義洋監督)など。公開待機作に『破門 ふたりのヤクビョーガミ』(17/小林聖太郎監督)、『3月のライオン 前編・後編』(17/大友啓史監督)、『花戦さ』(17/篠原哲雄監督)がある。

吉田大八監督コメント

前々からなんとなく怪しいと思っていたのですが、撮影を通じてそれは確信に変わっていき、興奮しました。
小さな頭や長い手足のことを言っているのではありません。
眼です。蔵之介さんの眼は、いわゆる「目高」についていながら、はるか宇宙の彼方からこの星を俯瞰で見下ろしているような、眼です。と思ったらWikipediaにも同じようなことが書いてあったので、やっぱり間違いないです。普段の関西弁も、もちろんカモフラージュです。
蔵之介さんの今後の地球上での生活のことはさておき、映画にとってはたいへん幸運なことでした。

■プロフィール
1963年生まれ、鹿児島県出身。CMディレクターとして国内外の広告賞を受賞する。2007年『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で長編映画監督デビュー。第60回カンヌ国際映画祭の批評家週間部門に招待され話題となる。その後の監督作として『クヒオ大佐』(09)、『パーマネント野ばら』(10)。『桐島、部活やめるってよ』(12)で第36回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞受賞。『紙の月』(14)で第38回日本アカデミー賞優秀監督賞受賞。今作に続き、『羊の木』が18年公開予定。

<ストーリー>

ある日突然、自分たちは宇宙人であると覚醒した平凡な家族。
彼らはその手に「美しい星・地球」を救う使命があると信じ、
それぞれに奮闘しはじめる。

大杉重一郎は予報が“当たらない”ことで有名なテレビ気象予報士。
悪くない仕事、悪くない暮らし、悪くない家族関係(妻・息子・娘)、悪くないはずの人生。
そんなある日、重一郎はあるものと遭遇する。それは空飛ぶ円盤!?
「自分は火星人。世界を救うためにこのホシに遣わされたのだ」
重一郎のなかに“火星人”が覚醒する。
覚醒は止まらない。息子の一雄が水星人、娘の暁子が金星人として次々目覚める。
それぞれの母星から使命を受け取った家族はそれぞれのやり方で世界を救おうと奮闘しだすが、
やがて様々な騒動に巻き込まれ、傷ついていく――。

出演
リリー・フランキー
亀梨和也 橋本愛 中嶋朋子 / 佐々木蔵之介

原作:三島由紀夫「美しい星」(新潮文庫刊)
脚本:吉田大八 甲斐聖太郎  
音楽:渡邊琢磨
製作:依田巽 藤島ジュリーK. 市村友一 吉川英作 中川雅也 
エグゼクティブプロデューサー:小竹里美
Co. エグゼクティブプロデューサー:松下剛  
プロデューサー:朴木浩美 鈴木ゆたか
撮影:近藤龍人 
美術:安宅紀史 
照明:藤井勇 
録音:矢野正人 
編集:岡田久美 
助監督:甲斐聖太郎
ラインプロデューサー:新野安行
製作:「美しい星」製作委員会  
助成:文化庁文化芸術振興費補助金  
企画・制作プロダクション:リクリ

企画・製作幹事・配給:ギャガ
監督:吉田大八
(C)2017「美しい星」製作委員会

2017年5月 全国ロードショー