日本映画史上最強のスキャンダルをモチーフに
圧倒的な知識と空前絶後のセリフが押しまくる
超重量級エンタテインメント映画。
細野辰興監督作品『貌斬り KAOKIRI~戯曲「スタニスラスキー探偵団」より』
『シャブ極道』『竜二Forever』の細野辰興監督10作目。
プロデューサーとしても参加した細野が、日本映画史上最強のスキャンダルにインスピレーションを得、まず仕掛けたのは、多重構造のメタシネマというとてつもない実験。
そして圧倒的な知識と社会批判を空前絶後のセリフに収めて吐き出す俳優たちの演技。
映画『貌斬り KAOKIRI』は、監督が作りたい映画を作れない、人が生きたいように生きられない、そんな日本のいまを赤裸々にあぶり出す。
細野ならではの、映画愛と人間愛に彩られたエンタテインメント映画である。第41回湯布院映画祭特別試写部門上映、賞賛と感嘆の声は止むことなく続いた。
演じるのは、映画という枠を超えて集まったいま最もおもしろい人間たち。
草野康太演じる緒形が演じる映画監督の滑稽、山田キヌヲ演じる南千草が演じる元女優のプロデューサーの深淵を軸に、体当たりスラップスティックで人気急上昇の和田光沙、劇団主宰・映画監督かつ現役大学生のリアルなゆとりぶり金子鈴幸、ナレーターが本業の向山智成、本作に登場する舞台で急成長をとげた森谷勇太、管理栄養士でもある森川千有、音楽とのコラボが多い南久松真奈、ミス東スポ2017候補生でもある女子プロレスラーの日里麻美、日本の大衆文化チンドンを世界に広めつつ劇団も主宰する嶋崎靖。そして、福島の『今』を10年記録するドキュメンタリーに福島出身の女優として出演を続ける女優・佐藤みゆき、「後から前から」の大ヒット歌手・畑中葉子、映画界だけでなくテレビでもひっぱりだこの木下ほうからが、スクリーンから観客の心めがけて飛びだしてくる。
STORY
長谷川一夫(林長二郎)顔斬り事件。
1937年、美男で評判だった林長二郎がスタジオから帰るところを二枚重ねのカミソリで頬を斬られ、日本中が騒然となった。日本映画史上最強のスキャンダラスなこの事件をモチーフにした映画の脚本会議が始まった。監督、脚本家、プロデューサーはじめとするスタッフたちは喧喧諤諤。
スポンサーが逃げそうだという電話が入り、助監督見習いが遅れて到着し、ウェイトレスは映画愛が充満し、七転八倒。事件のリアルな仮説に至りたいという監督の思い。
脚本会議はスタニスラフスキー・メソッドの場へと移っていく…果たして映画化は実現するのか…。という舞台の大入り満員の千秋楽。開演間近の楽屋は混乱していた。助監督役の俳優が逃走、主演女優は降板したいと言いはる。「演じることが怖い」と。
舞台の幕があがった。果たして舞台は幕を降ろすことができるのか…。
草野康太 山田キヌヲ
和田光沙 金子鈴幸 向山智成 森谷勇太 森川千有 南久松真奈 日里麻美 嶋崎靖
佐藤みゆき 畑中葉子 木下ほうか
脚本・監督:細野辰興
撮影:道川昭如
舞台照明:伊藤侑貴
照明:荒井保
録音・編集:若林大介
美術:金勝浩一
舞台美術:照井旅詩
音楽:籔中博章
助監督:有馬達之介
プロデューサー:細野辰興・日下部圭子・杉山蔵人
製作:細野辰興・日下部圭子・杉山蔵人・オフィスキール
©2015 Tatsuoki Hosono / Keiko Kusakabe / Tadahito Sugiyama / Office Keel
2015年|カラー|16:9|5.1ch,2.0ch|DCP,BD|143分