「昭和20年広島・呉 わたしはここで生きている」
穏やかな日差しの中、すずのゆっくりした時間が垣間見える

本作は、戦時中の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前を向いて生きていく女性・すずの日々を描いた物語になり、こうの史代の同名漫画に惚れ込み、約6年の歳月をかけ徹底的な時代考証・現地考証を重ねた片渕須直監督が、丁寧にダイナミックに描き出しました。

主人公・すずを演じるのはアニメ声優初主演の女優のん。柔らかく、どこか懐かしい親しみを感じさせる声で、すずさんに生命を吹き込みました。
時に優しく、時に強い映画を包み込む音楽を担当するのは、コトリンゴ。
クラウドファンディングに始まり日本中の想いが結集して、100年先にも届けたい、珠玉のアニメーション映画が完成致しました。

この度解禁しました本ポスターは、「昭和20年広島・呉 わたしはここで生きている」というキャッチコピーと、たくさんの草花が咲く中で、誰かに呼ばれたかのように小首を傾げ、振り向くすずを描いています。
穏やかな日差しの中、スケッチの途中で下駄を脱ぎ、花を摘む姿に、すずのゆっくりした時間が垣間見えます。

主演の声をのんさんに起用した理由(片渕須直監督)

6年前「この世界の片隅に」をアニメーションにしようと思ってからずっと、すずさんの声を探していました。
監督補の浦谷さんと互いに誰が良いかを考えていたところ、2人とも同じ声を思い描いていました。ご縁に恵まれて、のんさんの声をマイクを通して聞いた時、何年も前から自分たちが想像してきた声が、すずさんとなって現れました。
その時、のんさん以外のすずさんは考えられないと確信しました。すずさんに命を吹き込んでくれて感謝の気持ちでいっぱいです。この作品は本当に幸運に恵まれたと思います。


<ストーリー>

どこにでもある 毎日の くらし。昭和20年、広島・呉。わたしは ここで 生きている。

すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた――。

◆声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 / 澁谷天外
◆監督・脚本:片渕須直
◆原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)

企画:丸山正雄 
監督補・画面構成:浦谷千恵 
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎 
製作統括:GENCO 
アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル

(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

11月12日(土)テアトル新宿、ユーロスペースほか全国ロードショー