佐々部清監督に聞く (湯布院映画祭)

この41回も続く湯布院の映画祭には、多くの映画人が毎年訪れることでも有名だ。
多くの映画人を魅了し、参加することを楽しみにしている人も多いその理由の一つにはここで上映される作品のほとんどの回で催されるシンポジウムにある。
ここでは、映画への感想、批評が行き交い時には、作り手にとっては厳しい質問や発言もされるなどあるそうだが、それにも増して、県外から毎年のように訪れるファンもいる湯布院映画祭の目玉の一つでもある。
今では、映画人にとっても真摯な映画ファンと直接やりとりのできる貴重な機会となっている。

今回も多くの映画人が訪れているが、その中でまずは東京国際映画祭で特別招待作品として上映が決まっている高梨臨と斎藤工共演の『種まく旅人 夢のつぎ木』をここでいち早く上映した佐々部清監督にお話しをお聞きすることができた。

佐々部監督は、『半落ち』で日本アカデミー賞の作品賞、監督賞、脚本賞を受賞しその後も、『カーテンコール』『日輪の遺産』『ツレがうつになりまして。』『東京難民』など次々作品を発表し続けている。
そして、2013年からは『六月燈の三姉妹』鹿児島県先行公開 2014年)『群青色の、とおり道』群馬県先行公開 2015年)など、全国各地で撮った映画をその地で先行公開させつつ、全国に広げていく独自の映画を拡大する方法をとり話題を集めている。
今年の10月にも岡山県先行公開の『種まく旅人 夢のつぎ木』と山口県先行公開の『八重子のハミング』が続く。

そんな佐々部清監督に、湯布院映画祭会期に、シネフィルでインタビュー。
続けて、公開される映画のことなどをお聞きしています。

この湯布院映画祭はいかがです?

映画のファンが寄り添っている映画祭が好きですが、特に湯布院映画祭は映画ファンに長く愛されている映画祭で、5年前に初めてきたのですが、また今回も呼んでいただいて大変嬉しく思っています。
最初に来た時は、前に呼ばれた人より、「シンポジウムで叩かれるぞ〜」と言われてドキドキしながら来たんです。でも、その時は暖かく迎えられ、今回もまた大丈夫かな〜と思ってはきたんですが、やはり映画を愛する人々に暖かく受け入れていただきました。

監督は、作品を多く発表しているイメージがあるんですが—

年に一本は発表できることを目指しています。
やはり映画にこだわって撮り続けていきたいと思っております。
湯布院で上映したこの『種まく旅人 夢のつぎ木』は10月末より岡山県で先行公開いたします。

また、次には7年前に脚本を書き5年間メジャーなどに持ち歩いて映画化されなかった『八重子のハミング』という作品があり、老夫婦の話で、アルツハイマーの奥さんを12年間介護する話なので若い人向けのメジャーでは難しいことから、自分で製作をしました。(2017年東京公開)
この映画でも風穴をあけるつもりで、命がけで頑張っています。
スタッフからは、自主映画と言わないでくれと言われて「自主的映画」と言っているんです。

影響を受けた監督や作品は?

そうですね。一映画ファンとしては山田洋次監督がずっと好きなんです。
東映で、デビューして育ててもらいましたが、なんとなく松竹の感じが--
外国映画だと、フランソワ・トリュフォーのなんとも言えないあったかい感じの映画を目指しています。
映画のコンテの割り方は、浦山桐郎監督に教わりました。ワンシーンはこう切るみたいな---

「カーテンコール」などを見てもらうとわかるのですが、もともと、僕の家は共稼ぎで貧しかったもので、本とかレコードとかなかったんです。
白黒テレビだけが僕の文化。洋画劇場とかドラマを見て育ち“大衆娯楽が原点”かと思うんです。

映画を作り続けていることには--

僕にとって映画は、シンポジウムでも話したんですが、映像作家や映画作家ではなく職人の作家になりたいと思い続けているんです。
誰にでもわかる映画が撮りたい。
去年の夏に母が亡くなったんですが、僕が監督になった時にすでに70近かったんですが、そんな母がわかる、クスッと笑ってポロっと泣ける映画を作りたくて---
その辺が、映画評論家に言わすと甘っちょろくて毒がないと言われますが、そんなのクソ食らえと思って、そんな作品を作り続けています。

そして、監督が”自主的映画”として来年に発表する『八重子のハミング』について監督の生の映像でごらんください!

自作への思いを熱く語る佐々部清監督

佐々部清監督 湯布院映画祭

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岡山県で10月22日(土)先行公開!全国公開は11月

映画『種まく旅人〜夢のつぎ木〜』予告

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山口県で10月29日先行公開!東京では2017年公開が決定!

映画『八重子のハミング』予告編

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湯布院映画祭