シネフィル新連載「映画にまつわる○○」#09 評価(感想) 谷健二

公開中の監督作品『U-31』。

今回のコラムは上映から少し経って、世の中の評価が集まりつつあるタイミングでの原稿になりますが、決して本作品のことではないです。
はい、決して本作品のことではないです(笑)

さっそく本題です。

最初に受けた評価といえば、自身の処女作(短編)である『コンティニュー』。
当時30歳、学生映画祭の社会人部門への招待。都内のとある大学、視聴覚室的なとこで、お客さんというか学生さんがまばらにいる中での上映。
初めて撮った映画が大きなスクリーンに映され、それを真剣に見つめる学生さんたち、少し不思議な気分でした。
その場で評価を聞くことはできなかったのですが、後日、感想が手紙としてまとめられ送られてきました。いくつかの感想がある中、
ど真ん中にひときわ大きく書かれていたのが『ふ・つ・う』の3文字..年は関係ないと思いつつ、一回り近く年下の学生たちからの『ふつう』の3文字..
それからしばらく寝つき悪い夜を過ごしたことを今でも覚えています。

さて、気を取り直して。

最近ではSNSの普及からか、作品の評価を簡単に行える時代になってきました。
映画上映の後、間違ってTwitterなんかを覗いてしまえば、いいことも悪いことも悪いこともいきなり目に飛び込んできます。そしてまたしばらくの寝つき悪い夜を迎えます(笑)
自分自身でちゃんと評価できていればいいんじゃないって、素敵なアドバイスをくれる方もいらっしゃいますが、まだまだそんなに強くはないんです..
自身の評価と世間の評価に大きく差があると、生きてるうちは日の目を見れないかとも思ったりします。もちろんカタチに残るものなので、
いつか誰かが評価してくれるかもしれませんが、なるべくなら今の時代に評価される作品ができればと常に思っています。

話を戻し、いろいろ書かれている評論をみていると、明らかにピントがずれているものを除くと、厳しめの感想については大体当たっているんですよね。悔しいかな。

https://twitter.com/u31movie

そういえば『U-31』にもそんなシーンがでてきます。誰よりもサッカーを愛し、人生をかけてきたであろう選手が、様々な人からの反発にあいます。
それが仕事であるかぎり仕方がないことであり、それ相応の対価をもらっているのも事実です。スタジアムでよいプレーをすれば大きな拍手がもらえます。
それは、ピッチに立っている選手だけに与えられたものであることも忘れてはいけません。だからこそいろいろな評価に対して真摯に向き合うプロでなければならないと。

https://twitter.com/u31movie

最後に『コンティニュー』の話にもどりますが、前述の映画祭の後、別の映画祭のスタッフの方から、好意的なメールをいただきました。
そこに書かれていたことが、映像を通して表現したかったことであり、脚本にはない行間部分も含まれていて、大変うれしかったことを今でも覚えています。
その体験があったからこそ、今でも映画製作を続けているともいえます。

https://twitter.com/u31movie

まだまだ道半ばですが、監督作品『U-31』、今できるすべてが詰まった映画であります。

ぜひ劇場でみていただき、様々なご意見お待ちしております。

公開直前直前インタビュー『U-31』谷健二監督

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映画「U-31」予告編

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