第20回 中国芸能界も変わらない!中国人との人脈構築の重要性①

台湾、香港、中国本土など中華圏での仕事歴20年
(うち半分の10年は中国暮らし)
自称!日中友好大使の小松拓也です。

小松拓也

前回の記事では、中国で日本人タレントが成功してきた前例の少なさや成功出来る可能性の低さ、そして中国芸能界も格差は凄い!というお話をしました。
今日からは中国本土へ日本人タレントが進出するならばどんなことが必要になっていくか?を段階を分けながら話していこうと思います。
それとこれは予めお伝えしておきたいのですが、僕のお伝えする情報は、最低限、芸能(芸+能)の基礎があるという方を対象にしていく話です!

芝居にせよ、音楽にせよ、アクションにせよ、トークにせよ、中国芸能界で戦える何かしらのあなたなりの武器がないのならば、一度、二度のチャンスには恵まれたとしても、結局はこの市場で残り続けられるだけの体力を伴わないでしょう。
なので、すでに実績や経験値を積んでいる方はともかくとして、技能ゼロベースで中国芸能市場に乗り込もうと考えているようなチャレンジャーの方は、必ずその方面の努力や受け皿をご自身で開拓してください。

中国雑技団の雑技
http://image.search.yahoo.co.jp/search?p=%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E9%9B%91%E6%8A%80&search.x=1&tid=top_ga1_sa&ei=UTF-8&oq=%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E9%9B%91%E6%8A%80&fr=top_ga1_sa#mode%3Ddetail%26index%3D2%26st%3D0

では、次に今後の記事で紹介していく内容をカテゴリー別に分けて案内します。
①芸能界も変わらない!中国人との人脈構築の重要性
②日本語しか話せない、もしくは中国語がまだ覚束ない程度の日本人が可能なアプローチ先
③中国オーディション番組への挑戦
④中国版各種SNSのフル活用
そして、今日お伝えするのは①芸能界も変わらない!中国との人脈構築の重要性です!

人脈!
日本でも人脈は本当に大事ですが、中国において外国人である我々日本人がその地で発展を目指すのならば、更にその重要性は増します。
これは芸能界に限らず中国ビジネスに携わっている多くの日本人の共通認識ではないでしょうか?
中国市場で成功出来るかどうかの半分、もしくはそれ以上の要因は、地元の有力者や権力者をはじめ、どれだけ自分にとって有益な人材と深い関係作りが出来るか?によってある程度は結果が決まってしまうものと思います。

その理由の第一に、我々日本人は中国に行けばあくまで外国人となるからです。必ず現地人の協力や後ろ盾なしには仕事は成り立ちません!
仮に長期に渡って生活や仕事をしていく場合、ただ何気ない日常を送る中でも自分は外国人なのだ!ということを認識させられる機会に直面する可能性だって十分あるわけです。
例えばタレントのように個人事業主として活動をするのであればビザの問題や居留証の問題は代表格でしょう。

膨大で煩雑な資料をしっかり揃えて遠くて混み合う役所をわざわざ訪れ、ようやく自分の番が回って来た!と思ってたら、ワケの分からない理由を並べられ、一度帰宅後に最初の行程からやり直しを求められた!
こんな経験がある中国在住日本人は必ずいるはずです。
何せ僕自身も一度だけ経験ありますし。笑

中国が発行しているビザの一例
http://image.search.yahoo.co.jp/search;_ylt=A2RivcZf_91X5goAy1qU3uV7?p=%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%80%80%E3%83%93%E3%82%B6&aq=-1&oq=&ei=UTF-8#mode%3Ddetail%26index%3D4%26st%3D169

例えば上記のようなケースの場合、考えられる理由は2つあります。
①揃えたつもりの資料に本当に不備がある場合
②不備はあるものの役所の担当者の裁量やさじ加減一つで認可と不認可が分かれる場合(極端な場合、その担当者の気分次第の場合も)
①は仕方ないと腹を括ればいい話ですが、②の曖昧さや理不尽さは生真面目な日本人からしたら納得がいかないことこの上ないように聞こえる話でしょう。
でも、中国に限らず外国って意外とこんなことが日常茶飯事らしいですよ。
日本じゃ考えられないようなイレギュラーやトラブルが必ず起こる!
それが海外生活です。

では、仮に上記の②のような事態が発生した場合、地元の有力者の友達がいて、彼に助けを求めるとしましょう。
早ければ友達の電話一本で!
もしくは友達の協力のもと、自分自身ではどうやっても前に進められなかったトラブルが、まるで嘘のようにあっと言う間に解決してしまうことがあります。
(もちろん友達の各方面への影響力の大きさや、依頼する案件の内容によっても状況は変化しますし、必ずしも全ての案件に対して有力者の力が万能だとは言いません。ただ、それでも事実としてこういった力が強く介在するのは間違いありません。)
このような類似の事態はある程度の期間を中国で過ごすならば、必ず直面する問題でしょう。

これらは何もトラブル発生時のみに効力を発揮する話ではなくて、自身の仕事を発展させていくための中国パートナーとの協力体制という意味でも同じことが当てはまります。
なので、中国で活動するのならば、どれだけこういった人脈を自身が構築出来るか?
芸能人もこれで半分以上はその将来性が決まると思います。
次回の記事では、このテーマの後半を書いていきたいと思います。

小松拓也
1977年生まれ。
高校を卒業するとともに金城武のような多言語を操る国際的な俳優を目指し、台湾へ語学留学。
2003年に台湾でリリースした北京語CDアルバム「一萬個為什摩」は二万枚のセールスを記録。2007年に中国の国民的テレビオーディション番組「加油!好男児」に参加をし、約八万人の応募者の中からトップ20位に残った唯一の外国人ということで大きな注目を浴び、番組終了後は数多くの中国のテレビやイベント、雑誌などに出演するほか、数社の企業広告のイメージキャラクターを務め、日本の音楽を紹介する「音楽物語in Japan」のMCを務めるなど幅広く活動。
また、国家プロジェクトである上海万博の開幕式への参加や、世界中の華僑を台湾に集めて台北小巨蛋をステージに行われた四海大同では、2万人を前にイベントのテーマソングを歌うなど、その功績を中国からも認められている数少ない日本人の1人。

小松拓也オフィシャルブログ