劇場公開。そして海外映画祭出品が次々決定!

第 24 回レインダンス映画祭オフィシャルセレクション正式出品決定!

2016 年9月 21 日~10 月 2 日にロンドンで行われる、英国最大の国際映画祭「レインダンス映画祭」へ、岸善幸監督『二重生活』や大森立嗣監督『セトウツミ』と共に日本からの3本の招待作品 のうちの1本として、『イノセント 15』(イノセントフィフティーン)が正式招待されることが決定いたしました。

◆劇場公開へと繋がった、口コミや S N S による熱気のある盛り上がり。

2016 年テアトル新宿にて6月開催された「田辺・弁慶映画祭セレクション 2016」では、ア ート要素の強いチラシや印象的な予告編から「気になる映画」という噂が噂を呼び、「田辺・ 弁慶映画祭セレクション」総ての興行の中で歴代最高記録を樹立。瞬く間にソールド・アウトとなった上映の為「観たいのに観られない」という声が殺到し、その異様な熱気と支持を受け、異例の劇場公開を果たすこととなった。 また、「永い言い訳」の公開を控える西川美和監督や、「お盆の弟」がロングランを続ける大崎章監督、さらにはコラムニストの中森明夫氏からも、熱い支持を寄せられていることも 話題となっている。

◆新鋭監督、甲斐博和による待望の長編。

監督は舞台演出家出身の甲斐博和。
映画を自己流で学びながらも初監督作品「hanafusa」で、 「いつか読書する日」などの監督作品で知られる緒方明監督に「号泣しました」と言わしめ、 日本最大級のインディペンデント映画祭、ぴあフィルムフェスティバルにて 2009 年、審査員特別賞を受賞。その後も短編・中編の作品で水戸短編映像祭グランプリをはじめ、ゆうば りファンタスティック国際映画祭、仙台短篇映画祭、大阪 CO2 映画祭(現大阪アジアン映 画祭)など、国内の主要な映画祭で受賞・入賞を続けてきた甲斐博和監督が、満を持して放つ長編作品。

甲斐博和監督インタビュー

ー̶ 本作品を描いたきっかけは?

理由は 2 つあります。

1 つ目は、自分自身の中で、「人を好きになるってどういうことだろう?愛ってなんだろう?」とい う疑問がずっとあったことです。その疑問を持ち続けながら自分と対話するようにして脚本を書いて いくうちに、また自分を投影した「岩崎銀」を描き続けるうちに、「ああ、自分にとってはこういう ことかもしれない」という、映画のクライマックスで銀が放つ、一つの台詞に行き着きました。
僕自 身がどこか蓋をしていた、そしてきっと多くの人が若い頃に通過した、「ある感覚」の台詞です。その、たった1つの台詞の為の物語、という側面があります。

2 つ目は、2012 年頃から、「社会法人カリヨンこどもセンター」という、「シェルター」と呼ばれ るで働いていることです。職場の中で、「行くあての無い子どもたち」「家庭環境が劣悪な子どもた ち」と接しているうちに、「どんな環境の中でも、負けない子ども」をヒロインとして描くことで、 同じような子どもに「現実に屈したとしても、その現実が心までを折ることはできない」という希望 にも似た強さを伝えたい、という気持ちが強くなりました。
ヒロインの「佐田成美」はある意味僕の 「理想の強さ」を持った女の子です。もちろん、「シェルター」という場所を登場させることも考えましたが、「シェルター」という存在さえ知らない子どもも多いので、「結局は親元に帰らざるを得ない」という枷をあえて彼女に課す事で、より切なく、しかし強さが際立つように描きました。
̶

ー 2 人の若き俳優について。

どちらも難しい役どころではありましたが、本当に運良く、素晴らしい 2 人と出会える事ができま した。
この作品のクランクインは 2015 年 2 月だったのですが、オーディションが1月にスタートするというタイトなスケジュールの中、急ピッチでたくさんの方々にお会いしました。

オーディショ ンを重ねる中、まず初めに佐田成美役の小川紗良さんが決まりました。彼女とは最初のオーディショ ンで出会ったのですが、その後たくさんの方とお会いしていても、やはり彼女だ、という気持ちが変わらず成美役をお願いしました。物静かで、普段もそんなに喋らないのですが、映画の中と同じよう にある種の強さを感じられたので、映画初出演ということもあり、なるべく彼女の「素の魅力」を引 き出すような演出を心がけました。古き良き日本映画の女優さんたちのような、腰の座った演技は、 元々の才能だとは思いますが、この作品で花開いたように感じています。

岩崎銀役は難航しましたが、オーディション後半でようやく、萩原利久君という逸材に出会うことが が出来ました。当時は本当の 15 才。子役出身で、お芝居には慣れている子でしたが、敢えて「芝居 っ気」を抑えてもらう事で、「何を考えてるのか分かりにくい」「他人にあまり興味が無い」、現代っ 子かつ思春期特有の雰囲気を出してもらいました。結果的には「人を好きになることがまだ分からな い」迷える気持ち、それは僕自身の迷いでもあるのですが、その気持ちを繊細な表情で表現してもらいました。まだ若いのですが、男としての色気も感じる、稀有な俳優さんです。彼は映画初主演となり、二人の貴重なタイミングを「イノセント 15」でご一緒出来た事は、監督として嬉しい限りです。

ー̶ 「現代社会」へのアプローチで拘ったことなどは?

例えば社会的な事件や事象など、「わかりやすい時代性」に関して描く事はしませんでした。
登場人 物たちを俯瞰的に捉えつつも、視点は子どもたちからの視点を中心にしています。「見えるものしか 見えない」とも言える切り取り方で、大人たちの事情についても、断片的に語られます。「現代」に 生きていて、また「現代」を扱う以上、「現代社会」の反映は必要だと思いますが、それらをあえて 「登場人物の感情」に反映させようと挑戦しました。
人との距離感、関係性への考え方、変わってい く世界に対しての目線、それらを受けて変わっていく感情の端々に、「この人たちはこの時代に生き ている」ことが実感できるのでは、と考えました。

ー̶ 最後に、映画を見て頂く方々へ一言。

今まで頂いた中で印象的だった感想が、16 才の女の子が、「年齢も近いことからか、知っている感情 が、何個かあって、いろいろと考えさせられた。、、、知っている感情ってなんだ?」というものでし た。当たり前のように理解しているようで、理解できないのも感情だし、自分の気持ちだったりもし ます。この作品の登場人物たちも、自分たちの「感情」に翻弄され、それでも希望を求め続けます。

同じように「感情」や「現実」に難しさを感じている人たち、若い人たちはもちろん、あらゆる大人 の方々にも、この作品を観て、登場人物たちのなかに「それでも生きていく」という強さや希望を見 いだしてもらえたらと願っています。

「15 歳、人を愛せると思っていた」 惹かれあい、傷つけあう、15 歳同士の淡すぎる青春。
『イノセント 15』は、現代の地方都市を舞台に、とある秘密を抱えた同級生の2人が織りなす、これまでにない切なさを持ったラブストーリーとなっている。

虐待、ゲイなど、現代の社会問題の暗部を寄辺のない目線で描きながらも、一コマ一コマが 絵画のように美しく、観客の視線を画面に釘付けにする。
そして、まるで「絵を見つめるだ けで泣ける」ように、登場人物達の表情が、台詞よりも雄弁に観客に訴えかける。
「青春映画」、そして「アート映画」の側面を持ちながらも、生きるとは何か、人を愛するとは何か、 という永遠のテーマを正面から問いかける、重厚な純日本映画の誕生である。

◆鮮烈なデビューを果たした新人俳優! そして脇を固める実力派俳優たち。

CX「恋仲」にて、あどけないルックスで注目を浴びた、新進気鋭の若手俳優、萩原利久(17)。
PV、CM などで存在感を示しながらも、自らも監督をこなす才気あふれる女優、小川紗良 (20)。
萩原利久は映画初主演、小川紗良は映画初出演ながら、圧倒的な存在感を見せ、難しい役どころを魅力たっぷりに演じている。

銀の父親、大道役には、「オーバーフェンス」の公開が控える山下敦弘監督の初期作品群で、 独特の存在感を見せ続けた、個性派俳優、山本剛史。成美の母親、律子役には、NHK 連続 テレビ小説「まんてん」のヒロイン役で人気を博した、宮地真緒。

大道の高校の同級生でもあり、元恋人でもあった菊池役には、メンズノンノモデルを経て役者として CM、映画などで活躍する本多章一。律子の恋人であり、暴力的で行動の読めない男、あっ君役には、中野量太監督『湯を沸かすほどの熱い愛』を始め、様々な映画に出演する木村知貴。

成美が上京した際に頼る、律子の元夫には静かながら存在感のある信國輝彦。銀の友人であり、学校にも行かない不良であるミンとユウキ役には、子役からキャリアを積んでいる影山樹生弥、独特の存在感を放つ中村圭太郎。
演出力に定評がある監督と、実力派俳優達のコラ ボレーションは、物語をより確かな手応えのあるものに昇華させている。

萩原利久 (主人公、岩崎銀役)

「まず、撮影期間を振り返ると苦しかったです。繊細な15歳の銀にガムシャラに食らいついて模索してました。それでもわからなくなり毎日監督と話し合ってましたね。 そんな撮影もあっという間で、終わってみると苦しかったのも楽しかったという気持ち変わっていました。何が楽しかったのかと言われると未だに何が楽しかったのかわ かりませんが。。。
海外でも上映されるのはさらに嬉しく思います。撮影当時 15 歳だった自分が 15 歳 の銀に向き合い、リアルに感じたものが日本の人にも海外の人にも伝わってほしいで す」

小川紗良 (ヒロイン、佐田成美役)

「 15 歳の静かな愛の物語が、再び東京の真ん中で、更には海を越えて、また誰かの心 に届くことがとても嬉しいです。
無垢で、無知で、無実な「あの頃」を切り取ったこの作品。撮影当時 18 歳だった私 は、ひたすらあの頃の記憶と感覚を思い起こそうとしていたのを覚えています。生ま れて初めてスクリーンに飛び込んだ、かけがえのない作品です。
誰もが「あの頃」を引きずって生きているのだと思います。ぜひ、この作品を劇場で ご覧になって、それぞれの「あの頃」に思いを馳せてみてください」

『イノセント15』特報!

『イノセント15』特報

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Story
15 歳、人を愛せると思っていた―

とある地方都市の、小さな町。季節は冬。
岩崎銀 (15) は、野球好きの中学三年生。学校には行かずにブラブラしているミン、ユウキ とつるんでいる。そんな銀は、同級生の佐田成美(15)に突然告白される。しかし断る銀。 不思議がる ミン達だが、銀は女の子に興味が無さそうである。 一方、銀に振られても屈託のない素振りの成美。 しかし、家に帰ると「高校なんて行かずに 風俗行けば?」と母親である佐田律子 に言われるなど、 居場所が無い。さらには律子の恋 人、神林アツシにその性を売られようともしていた..。 成美を振った銀はマイペースに日々を過ごすが、父親の大道が経営する旅館に一人の男が 訪 ねて来る。菊池雅弘である。二人は同じ地元の同級生であり、小さい頃、菊池になついてい たと聞かされる銀。二人は同級生の葬儀に行くのだが、その夜、銀は二人が恋人同士だった ことを知り...。
重い現実が二人を取り巻いていく中、成美は町から逃げ出し、東京に住む父親、佐田大吾の 家に行くことを決める。最後のお別れにやって来た成美に対して、銀は突然、「俺も行く」 と言い出す。お互いに秘密を抱えたまま、2人の旅は幸福なスタートを切るが、その道程に は、新たな現実が待っていた... 無垢ゆえに無知な2人が、交わす言葉もうまく見つからないまま惹かれあい、大人たちの平 穏と不穏、そして地方都市の静寂と喧騒の先に見つめる、儚い希望と切ない恋の物語。

萩原利久 小川紗良
影山樹生弥 中村圭太郎 信國輝彦 木村知貴 久保陽香
山本剛史 / 本多章一 / 宮地真緒
監督・脚本・編集 甲斐博和
製作・配給・宣伝: TOCA.TOKYO 2016/日本/88 分/ステレオ/ビスタ/カラー/デジタル
(C)2016「イノセント 15」製作委員会