映画『ロング・トレイル! (原題: A Walk in the Woods)』

名優ロバート・レッドフォードが主演・製作を務め、北アメリカ有数の自然歩道「アパラチアン・トレイル」踏破を目指すシニア男性2人組の旅を描いたロードムービー。

欧米で人気の作家ビル・ブライソンが実話をもとに綴った著書「A Walk in the Woods」を『だれもがクジラを愛してる。』のケン・クワピス監督が映画化した。

ルックスも性格も全く違うシニア男性2人組が、およそ3,500キロに及ぶアメリカの自然歩道「アパラチアン・トレイル」踏破の旅の中で自身の人生を見つめ直すさまを映す。
ロバート・レッドフォード扮する主人公と一緒に旅する相棒を『白い刻印』などの個性派俳優ニック・ノルティが演じる他、オスカー女優エマ・トンプソンが共演。

40年ぶりに再会した破天荒な友人と一緒に出発したものの、予想外のハプニングが次々と2人の身に降りかかる。ふふふ。近年大ブームのシニア登山をテーマにしたコメディということなんだろうな。ただね、ひたすらね、おじいちゃん2人が山道を歩くだけの映画。そこにミステリーもなければサスペンスもない、当然アクションもない。それが味わいともいえ、この作品の魅力だとも思う。そこにあるのは珍道中であり、2人の絶妙な掛け合いだ。
真逆な2人が老体に鞭打ちながら不慣れなトレッキングに挑んでるんだけれど、会話と行動にコメディ要素がたくさんでほのぼののほっこり。時折見せる中学生レベルのやりとりに笑い、いつまでも変わらぬ男同士の友情を感じた。
道中に待ち受ける緩くて少し変わった事件や人々に触れながら、人生の色々なことに気付いたり、徐々にお互いに感じていたわだかまりが解けていったりするところに心が温かくなった。

ニック・ノルティは可愛くて素敵。ロバート・レッドフォードはホントにカッコイイよ。帰宅した時の「Remember me?」なんて痺れたワ。ただ、ドラマとコメディ、もう少しどちらかに振り切った方が良かったのかなあ。せっかくアメリカの、アパラチアの雄大で壮大な自然が舞台なんだし、音楽と映像のマリアージュも素晴らしかったんだしさ。途中であっさり旅を諦めちゃう潔さは人間らしくて好感。最後の絵はがきも良かったなあ。なんだろう? 本格的なトレッキングなんてしたことないけど、トレッキングしたくなる作品。

シネフィル編集部 あまぴぃ

「ロング・トレイル!」予告編

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