http://www.festival-cannes.fr/jp/theDailyArticle/61706.html
ナタリー・ポートマンがイスラエルの作家アモス・オズの自伝を映画化した『A Tale of Love and Darkness』で長編監督デビューを飾りました。自らが脚本、監督そして主演。
アカデミー賞主演女優賞を『Black Swan』で受賞しているナタリー・ポートマン自身、3歳のときに、アメリカに亡命してきています。そして、監督としての初長編作品で、自身の故郷であるエルサレムに戻りました。
映画は、イスラエル国家設立時の、一家族を通して見た時代状況を描いた作品です。
物語は、1940年代末。少年アモスとその両親の物語。
母ファニア(ナタリーポートマン)はアモスら家族と、ヨーロッパにおける迫害から逃れ、よりよい生活を求めて、まだイギリス委任統治領だったパレスチナへと移り住みます。
ファニアは、精神的に弱い女性だったのですが、しっかり現実の夫婦生活に向き合いつつ、他国へも適応もしなければならなくなります。落胆した彼女は、現実の世界から逃れ、アモスを新しいヘブライ語と文学の世界へと導いていきますーー
完全にヘブライ語で撮影された本作品は、2004年発行のアモス オズのベストセラーの回想録『Tale of Love and Darkness』を基にしてナタリー・ポートマンが脚本を書き上げました。
本書で、彼女はこの家族の亡命とその過程について、強く興味を感じたと言っています。
「私は、祖父母からこの話を聞きました。彼らの感じた文学の世界、そして新しい言語となって蘇ったヘブライ語、イスラエルやヨーロッパとの関係など。それらの事柄に興味を持ったので、作品として探究しようと思いました。」