映画『アルビノの木』 

金子雅和監督の長編第2作「アルビノの木」が7月16日、テアトル新宿で公開初日を迎えた。
金子雅和監督、松岡龍平、東加奈子、山田キヌヲ、増田修一朗、尾崎愛、松蔭浩之、細井学、松永麻里、山口智恵が舞台挨拶に登壇し、壇上を賑わせた。主役を演じた松岡龍平は冒頭挨拶にて「年代の近い等身大の役を演じられて、幸せに感じています。」と挨拶をし、多くのキャストが本作の見所でもある映像美に関して、改めて作品を観て感動したことを明かした。

本作のストーリーは農作物を荒らす害獣駆除に従事する主人公ユクが、かつて鉱山として栄えた村で、神のように崇められている白鹿を秘密裏に撃つ高額報酬の仕事を引き受けることからはじまり、病気の母の手術費捻出のために、村人が大切にしてきた特別な存在を撃たなければならないユクの苦悩を描いていくものだ。

(左)松岡龍平(右)東加奈子
映画『アルビノの木』

広大な自然がモチーフとなるため、ロケーションもこだわりのある長野・須佐を中心としたもので、ヒロインのナギを演じた東は「撮影の初日に、山のてっぺんで1メートル先の視界も見えないほどの霧が凄くて、晴れたら軍手を渡されたんです。現場で軍手を渡されたのは初めてで、『ロープを使って山を下りてください』と言われて。監督は柔らかい雰囲気で優しい感じなんですけど、意外とそういうこと言っちゃうんだ、大変な現場に来ちゃったと思った。(笑)」と会場の笑いを誘いながら、体当たりであった撮影の様子を語った。

金子監督は構想から8年越しのスクリーンでの上映であることに感無量であると述べ、「劇映画の場合、人間が中心になるので背景は背景でしかないのが普通ですが、自分は背景の部分も一つの画として映画をつくりたかった。人間以外にも存在しているということを観ている人に感じてもらえるように撮っています。」というこだわりを語った。

映画『アルビノの木』は16日~29日までの開催である。22日までの上映後には、ベテラン猟師役を演じた長谷川初範、金子監督が師事した瀬々敬久監督、作家の乙一氏らゲストが参加するトークイベントが連日行われる。7月29日まで限定公開。イベント詳細は公式HPからチェック!

映画『アルビノの木』劇場予告 A Masakazu Kaneko film "THE ALBINO'S TREES" theatrical trailer

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映画『アルビノの木』7月16日(土)~29日(金)テアトル新宿にてレイトショー
監督・脚本:金子雅和
出演:松岡龍平、東加奈子、福地祐介、山田キヌヲ、長谷川初範ほか
©kinone 配給:マコトヤ