シネフィル映画短評第213回『ペレ 伝説の誕生』

映画『ペレ 伝説の誕生(原題: Pele: Birth of a Legend)』

「サッカーの王様」として知られるブラジルの英雄で元サッカー選手のペレの伝記ドラマ。
スラム育ちの少年だったペレがFIFAワールドカップブラジル代表に選ばれ、奇跡的な活躍を繰り広げるさまを描く。

プロデューサーには『ビューティフル・マインド』などで知られるハリウッドの名手ブライアン・グレイザーらと並び、ペレ本人も名を連ねている。『ファヴェーラの丘』などのジェフ・ジンバリストとマイケル・ジンバリストの兄弟がメガホンを取り、『ジュラシック・ワールド』などのヴィンセント・ドノフリオ、『チリ33人 希望の軌跡』などのロドリゴ・サントロらが出演。

波瀾万丈なペレの人生と臨場感に満ちた試合シーンに引き込まれる。いやぁ、良い映画だなぁ。天邪鬼なボクですら素直に感動しちゃったよ、何度も涙出ちゃったよ。冒頭からワクワクが止まらない。107分間、目が離せない。テンポが良い上に疾走感溢れる音楽が高揚感を上手に煽ってくれてもうドラマチック。幼少期から17歳までを描いただけっていう潔さも良かったね。家族の温かさに胸が熱くなった。

ペレを親身にサポートする元サッカー選手の父、厳しいけれども真っ直ぐでペレを信じ続ける母…嗚呼想い出しても涙出る…。幼少期、裸足で一緒にボール(のようなもの)を蹴り合った仲間たちの存在も大きいね。すごく良かったなあ。マンゴーのシーンとか最高。感動。
試合のシーンは臨場感たっぷり、緊張感もたっぷりでとにかく興奮。ペレのプレイにすっかり魅了される。途中端折り気味に感じたり、相手チームをデフォルメし過ぎてる感があったりしたものの、ペレが伝説になるラスト20分は、鳥肌立ちまくって感動に打ち震えた。
ペレ本人のカメオ出演シーンでは会場全体がふんわりと沸いたのが微笑ましく印象的だった。
ペレの逆境にもめげずひたすら頑張る姿に感動し、周囲の温かさに何度も涙した。自分も頑張ろうという前向きな気持ちになれる作品。激しくオススメ。

シネフィル編集部　あまぴぃ