北京と上海の違いあれこれ!留学の候補地選びにも是非参考に!

香港、中国本土など中華圏での仕事歴20年
(うち半分の10年は中国暮らし)
自称!日中友好大使の小松拓也です。

小松拓也

これまでのコラムでは、中国本土という大きな括りで中国という国の芸能情報をお伝えして来ました。
そこで、皆さんにベーシックな中国芸能の情報やそれに関連する問題などをご理解頂けたこのタイミングで、北京と上海の違いをお話したいと思います。

空気の汚染度が高い時期の北京の様子(空気が良い時期も当然あります)
http://gigazine.net/news/20130205-beijing-pollution-breathing-bike/

ちなみに近年は気になる空気の汚染度ですが、一般的には北京の方が汚染度が高いと言われています。
季節などにもよりますが、個人的にも北京の方が空気は悪いかな?と感じています。
では、語学習得ではどうでしょう?
北京も上海も訛りこそ違え、北京語を学ぶにはどちらも環境は整っています。
では、芸能人の卵を目指す皆さんが言語だけでなく、演劇を学んだり、中国芸能界のパイプを築く一つのツールとして現地の演劇学校に通いたいというのであれば?
北京には北京電影学院、上海には上海戯劇学院という名門演劇学校があります。
中国芸能界には俳優や歌手だけでなく、映画監督や脚本家、カメラマンに至るまで、こういった名門演劇学校出身者が多く、ここで人脈を上手く形成出来れば中国芸能界と大きなパイプが出来る可能性もあります。
どちらも名門ですし、どちらを目指すかに関しては色々な意見を聞きますが、個人的にはどちらでもそう大差はないかと考えています。

中国芸能界の登竜門の1つ。上海戯劇学院
http://natalie.mu/comic/pp/sailormoonmusical02

では、中国芸能界を目指すなら北京と上海のどちらが優位か?
これは間違いないなく北京でしょう!
日本で言えば東京と大阪という関係に例えれば分かりやすいでしょう。
首都である北京が芸能の中心地であるのは間違いないので、人も情報もチャンスも上海より確実に多いです。
ただこれらの状況が、イコール直接日本人タレントたちへもたらす恩恵に直結する可能性が高くなるとも言えないんですが。
そのことは今後の記事でまた説明していきます。
では、次にあなたがもし中国で芸能プロダクションを探す場合、北京と上海どちらが良いか?
これも北京だと思います。
北京には华谊兄弟や海潤といった大手のプロダクションがありますし、これらの会社は自社で年間に何本もの映画やドラマを製作しているので、仮にこういったプロダクションと契約が叶うならば中国映画出演などが一気に近くなりそうですね。
上海にもプロダクションは当然あるのですが、やはりその規模や影響力を考えると北京の方が有利と言えます!

华谊兄弟主催のイベントの様子
http://tech.ifeng.com/a/20141118/40872638_0.shtml

では街の住みやすさはどうでしょうか?
これは中国在住の日本人の間で完全に意見が分かれるポイントです。
北京在住者は北京を推し、上海在住者は上海を推します。
なので、ここでのジャッジの基準は、あなたが住みたいのはより日本に近い環境ですか?それとも日本とは異なる環境ですか?という点に集約します。
ちなみに、北京には日本人が約1万3千人前後、上海には5万人前後住んでいると言われています。
在住者人口に比例して日本料理屋の数は上海の方が多いです。また日本料理屋の競争が激しいことから値段も北京より安く、同じ値段なら質も上海の方が間違いないなくレベルが高いでしょう。
上海には日本人街というべきエリアが存在し、日本のスーパーがあるほか、カラオケや満喫などまで存在し、またそのエリアの中国人店員は大抵日本語が話せるので、その気になれば日本語だけの生活が可能です。

上海に複数店舗を構える日系スーパー「しんせん館」
http://www.sunplaza.com.cn/room/しんせん館/

北京にも上記のようなお店などはありますが、「日本」というものをより近くに感じたい方には間違いなく上海でしょう。
ちなみに個人的に中華料理が美味しいお店は北京の方が多い気がします。
街の魅力を語ればそれぞれキリがないぐらいありますので、今回はあくまで「あなたが住みたい環境は日本っぽい所?違う所?」で判断してください。
では、次回のコラムでは今回書ききれなかった違う視点からの中国芸能攻略の糸口をご紹介します。

1977年生まれ。
高校を卒業するとともに金城武のような多言語を操る国際的な俳優を目指し、台湾へ語学留学。
2003年に台湾でリリースした北京語CDアルバム「一萬個為什摩」は二万枚のセールスを記録。2007年に中国の国民的テレビオーディション番組「加油!好男児」に参加をし、約八万人の応募者の中からトップ20位に残った唯一の外国人ということで大きな注目を浴び、番組終了後は数多くの中国のテレビやイベント、雑誌などに出演するほか、数社の企業広告のイメージキャラクターを務め、日本の音楽を紹介する「音楽物語in Japan」のMCを務めるなど幅広く活動。
また、国家プロジェクトである上海万博の開幕式への参加や、世界中の華僑を台湾に集めて台北小巨蛋をステージに行われた四海大同では、2万人を前にイベントのテーマソングを歌うなど、その功績を中国からも認められている数少ない日本人の1人。