地球に落ちて来た男
今年1月10日、この世を去ったデヴィッド・ボウイ。
今はもうないあの場所へ いつの日かわたしはきっと帰るだろう。
追悼デヴィッド・ボウイ、ふたたびスクリーンで!

 ウォルター・テヴィスの同名SF小説を、『美しき冒険旅行』『赤い影』のニコラス・ローグ監督が映画化。新天地を求めて地球に降り立った美しき宇宙人を、映画初出演となるデヴィッド・ボウイが演じている。

映画の撮影は1975年7月から始まった。
主な撮影場所はアルバカーキ、ホワイト・サンズ、フェントン・レイクなどニューメキシコ州の各地。11週にわたる撮影期間中、ボウイは薬物に依存しながら過ごしていたことを、後のインタビューで語っている。当時は自分が何をやっているか、わかっていなかったとも。だがもちろん、そんな不安定で、どこか覚醒した状態こそ、この映画の宇宙人の役柄に求められていたことだった。

俳優として演技に全力を注いだボウイは、本作の完成後、精神的なバランスを崩す。やがて彼は「アラディン・セイン」「ジギー・スターダスト」に続く新たな人格を求め、「シン・ホワイト・デューク」を名乗り始める。それは『地球に落ちて来た男』の宇宙人、トーマス・ジェローム・ニュートンのイメージと重なり合うものであった。
ボウイは、76年に『ステイション・トゥ・ステイション』、77年にベルリンに拠点を移して製作された『ロウ』の2枚のアルバムを発表。これらのアルバムのジャケットは、ともに『地球に落ちて来た男』の場面写真が使われており、ボウイ=ニュートンの姿である。そのことはこの作品がボウイのキャリアの中でいかに大きな位置を占めているかを表明している。

このたび完成したメインビジュアルは、宇宙船のなかでうつむくボウイ=ニュートンの顔をメインに、彼の繊細な美しさを全面にだした構成となっている。キャッチコピーは、「今はもうないあの場所へ いつの日かわたしはきっと帰るだろう」。
予告編では、地球外から来た男の奇妙に優雅な生活のなかでもどこか悲しさを帯びた表情を浮かべるニュートンの姿と、SFでありながらも不思議と懐かしさを感じさせる、混沌とした世界観が垣間見える。
また、本作は京都みなみ会館の出資により、公開が実現された。地方の映画館が、映画を上映するだけではなく自ら発信する、新しいプロジェクトの1本でもある。

『地球に落ちて来た男』予告編

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 ■Story
ある日宇宙船が地球に落下する。砂漠に降り立った宇宙人は、あまりに美しい容姿を持っていた。
その後弁護士のもとを訪れた彼は、人知を超えた9つの特許を元に、弁護士とともに巨大企業を作り上げていく。アメリカのかつての大富豪、ハワード・ヒューズなどを思わせる、彼の奇妙な暮らしが始まり、彼は全米の注目の的となる。
一体彼は何をしようとしているのか?彼は何者なのか? もちろんそんな彼の勢威を恐れる者たちもいた。彼の秘密の計画は思わぬ妨害を受け、彼の暮らしは一気に変わる。
果たして彼は、故郷の星に戻ることができるのか……。
 
監督:ニコラス・ローグ
脚本:ポール・メイヤーズバーグ
原作:ウォルター・テヴィス 
音楽:ジョン・フィリップス、ツトム・ヤマシタ 
撮影:アンソニー・B・リッチモンド 
出演:デヴィッド・ボウイ、リップ・トーン、キャンディ・クラーク、バック・ヘンリー 、バーニー・ケイシー、ほか
原題:The Man Who Fell To Earth 1976年/イギリス/カラー/139分/デジタル
© 1976 Studiocanal Films Ltd. All rights reserved.
提供:京都みなみ会館、boid 配給:boid 

7/16(土)よりユーロスペース、シネマート心斎橋ほか全国順次ロードショー!