台湾、香港、中国本土など中華圏での仕事歴20年
(うち半分の10年は中国暮らし)
自称!日中友好大使の小松拓也です。
今までのブログで中国本土の方々と、台湾人、香港人の微妙な違いを話して来ましたが、今回は中国本土に絞って話をしたいと思います。
では、中国とはどんな国か主なデータを基にしながらざっと再認識してみましょうか?
人口:13.57億人
国土:9,596,960km²(日本の25倍)
民族:56の民族から成り立つ
言語:国語である標準語の北京語を含め、80種類以上の言語
*ここで言う言語は一言で言えば方言ということなのですが、日本語で例えると沖縄の方言と標準語の差以上の違いがあると思って頂けると理解しやすいです。中国人同士であっても基本的には他地方の言語は分からない場合がほとんどで、感覚としては同じ中国語であってももはや外国語と捉えてもらった方が良いと思います。
ちなみに長年上海に住んでいた僕も北京語は分かりますが、上海人が北京語ではなく上海語を使い始めると途端にほとんど分からなくなります。
上記を更に分かりやすい例えにすると、日本人にとって近場の海外に行くのにかかる時間以上に中国人の国内の移動は時間がかかります。
例えば日本人が成田からお隣の韓国(仁川)や上海、台湾など比較的近い海外へ移動した場合の飛行時間が大体3時間前後ですが、中国首都である北京から広州や雲南と言った中国国内移動にかかる飛行時間は3時間半ほどかかります。(もちろん中国のどこの都市を起点にしてどこまで行くのか?ということによりこの移動時間や距離は大幅に変動します)
更に、ロシア近郊に住む中国人はアジア人という外見よりはもはやロシア人というような風貌の中国人もいますし、西の方に行けばインド人?というような風貌の方が多い地域もあります。
つまり、中国と一言で言っても顔も言葉も文化も移動時間も、そもそも存在する全てが日本の常識では測れない規模なんです。
これらは中国の各都市の発展レベルにおいても同じことが言えます。
そんなの当たり前じゃん!日本だって都市部と田舎じゃ差があって当然!などと決め付けないでください!
ここにおいても日本と中国ではその規模感があまりに違い過ぎるんです。
北京や上海のような巨大都市と中国農村部では街の発展度合いがビックリするほど違う!という場所も少なくありません。
かたや、東京と同じような大規模のショッピングモールやデパート、夜景スポットやオシャレなカフェなどが広がる都心部と比べ、中国農村部ではまだまだ交通や日常生活の基盤となるインフラさえ満足に揃っているとは言えない地域も存在しています。(場所によってはトイレなど下水設備や水道も満足に揃っていない場所もあるようです。上記写真の水口村もその1つ。)
日本の町や村などの農村部と特に大きく違うのは、中国の農村部の場合、その村や町に住む人口数が数十万や100万人規模だったりすることが珍しくないのです。
つまり、横浜市や大阪市の人口よりも人口率の高い町が当たり前にあるのが中国という場所なんです。
ちなみに中国は都市部に住む人口よりも農村部に住む人口率の方が高いようです。
日本が都市部に人口が集中しているのと違い、中国には都市部にも多くの人口が住んでいるのと同時に、農村部と言われる地域にはそれ以上の人口が住んでいるんです。
僕個人の感覚では、中国という国はいくつもの外国の集合体ってイメージです。
とにかくそれぐらい地域によって街の発展度合いや様子などのハード面から、人の考え方や付き合い方などに至るソフト面まで大きく違うんです。
北京で常識なことが上海では常識じゃないことだってあるし、こんな違いが国土と人口の分存在していると言っても過言じゃないのです。
だから一言で中国人と言っても、実は中国人同士であったとしても出身地や住んでいる環境によって、それぞれ抱えている常識や価値観、習慣も違うし、加えて都市部と農村部とでは与えられる戸籍すら違います。
戸籍に関してはまた次回のコラムで更に説明したいと思います。
小松拓也
1977年生まれ。
高校を卒業するとともに金城武のような多言語を操る国際的な俳優を目指し、台湾へ語学留学。
2003年に台湾でリリースした北京語CDアルバム「一萬個為什摩」は二万枚のセールスを記録。2007年に中国の国民的テレビオーディション番組「加油!好男児」に参加をし、約八万人の応募者の中からトップ20位に残った唯一の外国人ということで大きな注目を浴び、番組終了後は数多くの中国のテレビやイベント、雑誌などに出演するほか、数社の企業広告のイメージキャラクターを務め、日本の音楽を紹介する「音楽物語in Japan」のMCを務めるなど幅広く活動。
また、国家プロジェクトである上海万博の開幕式への参加や、世界中の華僑を台湾に集めて台北小巨蛋をステージに行われた四海大同では、2万人を前にイベントのテーマソングを歌うなど、その功績を中国からも認められている数少ない日本人の1人。
小松拓也オフィシャルブログ
http://profile.ameba.jp/takuyashanghai/