台湾、香港、中国本土など中華圏での仕事歴20年
(うち半分の10年は中国暮らし)
自称!日中友好大使の小松拓也です。
さて、前回の記事では中国人の爆買いの話に触れ、一昔前とは異なり、現在は何でもかんでも売れる時代ではなくなったことに加え、今後は日本の良質なサービスにさらなる中国人の需要と興味、関心が高まるだろうとお伝えしました。
今回はその中国人爆買いの攻略に繋がる(かもしれない?)知識を皆さんと共有したいと思います。
そもそも「中国人爆買い」という言葉や現象その一点だけにフォーカスを当てて語られがちですが
その理由やバックボーンに関しては、あまり一般的には認知されていないのかな?個人的にはそう思うことが少なくないのですが、むしろ中国人爆買いの行動の理由やバックボーンに迫ることこそが、今後さらなる需要を生み出し、迎え入れる準備に繋がる!と感じています。
そこでまずは今回、現在日本で起きている中国人の爆買いという現象がいかに凄い現象なのか!というその価値観にもう一度立ち帰る心構えを共有させてください。
中国は66年から76年後期までが文化大革命の時代でした。
財産を国に無理やり没収され、国中の人が労働者として強制的に働かされた時代です。
この時代を生きた人の多くは当然、現在も中国社会の様々な分野において活躍されている方々が少なくないのですが、こういった時代を生きた方の中の大多数には、極端に言い切ってしまえば、信じられるものは自分と家族だけ!という方が多い傾向にあります。
そりゃそうですよ!ある日、突然国の急な政策転換により、自分たちが苦労して築いてきた財産を有無を言わさず全て奪われ、無に帰してしまっただけでなく、無理やり厳しい環境下の労働者にされてしまったわけです。
しかもあまりに厳しい労働条件であったために亡くなってしまった方は数知れず、そのため思わずついてしまうような国の政策や時の指導者の悪口などが漏れてしまおうものなら、処罰されてしまった時代です。
情報などはどこから漏れるか分からないから、例え親友であったとしても自身の本音を話せない!こんな時代が10年も続いたのです。
しかも同じ時代、日本は戦後の敗戦を乗り越えて高度成長期に突入していた頃の話です。(ちなみに僕が生まれる前年です!)
だからこの時代を生きた中国人は、心の深い部分では自分や親族以外は絶対に信じないという傾向が日本人のそれに比べて遥かに強いし、それは普段目や耳にする情報一つを取っても似たようなことが言えたりします。
例えば、簡単に企業の宣伝文句を頭ごなしに信じない!とか、営業マンの説明をどこか穿った見方を持ちながら聞く!などです。
分かりやすい例で言うと、中国はブランド品のバッグや財布などのコピーが日本と比べ多く市場に出回っていますが、実は購入者の多くは外国人であって、中国人(特にホワイトカラー)はあまり偽物を買わない傾向があります。(偽物に限らずブランドは偽物を購入したくないという思いから、正規店での購入が盛んです。)
加えて中国人富裕層は絶対数で言うと、中古品をまだまだ敬遠する傾向があり、中古品ブランドなどは中国国内ではほとんど売れません。(ここ数年少しずつ中古品の需要も高まり、今後は中古市場の拡大も予想されているようです。)
これには幾つか理由が考えられますが、1番大きな理由はどうせ買うなら本物を買いたい!という心理と、中国国内の中古品はどうせ偽物でしょ?という心理が強いためと思われます。
と、前置きをしましたが、こういう気質の中国人が、日本に来たら家電や美容製品などの日本国産の商品だけでなく、日本で売られている欧米ブランドの中古品を大量買いして帰国する!こんな現象が実際に起こっています。(ことブランド品において)自国のものや営業トークも信じない中国人が何故日本の中古ブランドを求めるのでしょうか?
これは中国人旅行客の消費マインドに、日本のものは安全で品質が高い!日本には偽物がほとんどない!という強い認識があるからです。
当然、中国の景気上昇とともにお金持ちが増えたことに加え、長年様々な分野で日本人が国内外で培ってきた功績や実績が中国人同士の間でも口コミで少しずつ広まり、日本ブランドという一つの大きな信頼を勝ち取ってきた成果が現在反映されている!ということなのでしょうが、それにしても中国人をよく知っている僕から見ても「あの中国人の多く(少なくても訪日する中国人)が穿った見方も先入観も持たず、日本ブランドを疑いの余地もなく購入していく!」このことがいかに凄いことなのか!という事実をまずは皆さんにも是非認識してもらいたいなと思うのです。
そして、この現象に大きく起因しているもう一つの要素である80後、90後の存在に関しても次回のブログでご紹介したいと思います。
小松拓也
1977年生まれ。
高校を卒業するとともに金城武のような多言語を操る国際的な俳優を目指し、台湾へ語学留学。
2003年に台湾でリリースした北京語CDアルバム「一萬個為什摩」は二万枚のセールスを記録。2007年に中国の国民的テレビオーディション番組「加油!好男児」に参加をし、約八万人の応募者の中からトップ20位に残った唯一の外国人ということで大きな注目を浴び、番組終了後は数多くの中国のテレビやイベント、雑誌などに出演するほか、数社の企業広告のイメージキャラクターを務め、日本の音楽を紹介する「音楽物語in Japan」のMCを務めるなど幅広く活動。
また、国家プロジェクトである上海万博の開幕式への参加や、世界中の華僑を台湾に集めて台北小巨蛋をステージに行われた四海大同では、2万人を前にイベントのテーマソングを歌うなど、その功績を中国からも認められている数少ない日本人の1人。
小松拓也オフィシャルブログ
http://profile.ameba.jp/takuyashanghai/