今月16日から開催されている第6回北京国際映画祭では日本映画週間として巨匠・黒澤明監督の映画『乱』のデジタル修正版のほか、『虎影』、『MOZU』、『忘れないと誓ったぼくがいた』など8作品が公開されている。
また、中国でも人気の高い黒澤明監督をテーマにしたフォーラムも行われ、黒澤監督の後期作品で制作進行を務めたプロデューサーの熊田雅彦氏が黒澤監督について、生前黒澤監督が一度も訪中しなかった理由を議題にあげた。
その理由を熊田氏は「もし間違っていたら、あの世で監督が怒るかも」と前置きした上で、当時文化大革命の時期だった中国に、75年の日ソ合作映画『デルス・ウザ-ラ』が批判を受けたことが理由の一つではないか?と語ったほか、高齢になってからは足が弱くなり、海外への移動が困難だった理由をあげている。
また、黒澤監督はまだ国際的には無名だったチャン・イーモウ(張芸謀)監督に注目していたといい、凄い監督だ!と評価していたという話も明かされた。