「ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)」のサイト上で、今年で7回目となるユニークなインターネット映画祭「Dubl dv@」が4月11日~22日に開催されることがわかった。
映画祭の目的は、様々な理由で一般に広く上映されなかったロシア映画を映画ファンに見てもらうこと。
出品作品はすべて無料でオンライン上映され、48時間の間、上記サイトで目にすることができる。また、その大部分には英語の字幕が付いているという。
「アンデルセン・愛のない人生 (ANDERSEN. ZHIZN BEZ LYUBVI)」
非コンペティション部門では、昨年11月に亡くなったエリダール・リャザーノフ監督の晩年の作品をいくつか上映する。
デンマークの偉大な童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの伝記映画を撮影するというのが、ロシアのエリダル・リャザーノフ監督の一生の夢であった。リャザーノフ監督は「運命の皮肉、あるいはいい湯」や「職場恋愛」などのソ連映画で有名。夢がかなったのは78歳の時。ただ、難しい演出に、なかなか資金が集まらなかった。
年輪が作品にもよくあらわれており、かつてのリャザーノフ監督の軽快さはない。人生の意味を哲学的に探る作品となっている。映画評論家は、ここ10年で最も重みのある映画の一つと評している。
また、非コンペティション部門では、昨年11月に亡くなったエリダール・リャザーノフ監督の晩年の作品をいくつか上映する。
コンペティション部門のその他の注目作
「シャガールとマレーヴィチ (SHAGAL - MALEVICH)」
天才2人が遭遇する物語。マルク・シャガールは、地元ヴィテプスク(現ベラルーシの地方)で美術学校を開校し、小さなパリにしようと、1920年代に帰郷する。
シャガールと一緒に、カジミール・マレーヴィチなどの他のアヴァンギャルドな画家たちも、この街に暮らすようになる。
マレーヴィチは提唱したシュプレマティズムですでに名を馳せていた。シャガールを含めた芸術仲間に、「私に追いついてこいよ!」と言う。だが、ここに残るのは1人だけなのだ---
前衛芸術運動「ロシア・アヴァンギャルド」の一翼を担ったマレーヴィチが映画に描かれるのは珍しく、またシャガールとの関係を描いていることも、興味深い。
アレクサンドル・ミッタ監督のこのスケールの大きな映画は近年のロシア史で初と言える。
NASLEDNIKI
トークショー番組のスタジオに、政治学者、愛国者、ポップ界の歌姫などが集まり、司会者とともに、ロシア正教の有名なラドネジの克肖者聖セルギイについて議論する。
収録の最中、司会者はこの番組が打ち切りになることを知る。
納得のいかない司会者は、失うものはなにもないと、教会、政府、スタジオにいる人の暴露を始める。だが期待したほどの効果は得られなかった。
この映画を撮影したのはウラジーミル・ホチネンコ監督。ソ連が崩壊する時に発生した「新しい波」の有名な監督の一人。
映画「英雄のための鏡」は1987年、イタリアでヴィットリオ・デ・シーカ賞を受賞している。
この他にも、レナータ・ダヴレチヤロフ監督による悲喜劇『ある時』や、昨年、ベルリン映画祭のプログラム「ジェネレーション14+」で上映されてアンドレイ・ザイツェフ監督の青少年期を描いた「14+」も注目。