「LuckyHouse のポートフォリオ」11 エミリー・ブラント
タフな捜査官役でパワフルな演技とアクションを披露した
『ボーダーライン』が4/9に公開!

1983年2月23日に、ロンドンで生まれたエミリー・ブラント。今や英国期待の人気女優に成長した彼女だが、演技の道に入るきっかけは、なんと吃音症を克服するためだったという。
2001年に大女優ジュディ・デンチと共演した「The Royal Family」で舞台デビューを果たし、この作品でイヴニング・スタンダード賞新人賞を受賞した彼女は、その後、「刑事フォイル」などの人気TVドラマやTVムービーに出演を重ねて腕を磨き、2005年に放映されたBBCのTV映画「ナターシャの歌に」でゴールデングローブ賞助演女優賞を獲得した。

明るい髪の色も良く似合うエミリー・ブラント  Photo by Yoko KIKKA

スクリーンデビューは2003年の「ウォリアークイーン」。
2006年のハリウッド進出作『プラダを着た悪魔』で、メリル・ストリープ扮する鬼編集長のアシスタント役を好演して大ブレイクし、国際的な脚光を一身に浴びる。

以降も、『ジェイン・オースティンの読書会』『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』(07年)、『サンシャイン・クリーニング』『ヴィクトリア女王 世紀の愛』(09年)、『ウルフマン』『ガリバー旅行記』(10年)、『アジャストメント』『砂漠でサーモン・フィッシング』(11年)、『LOOPER ルーパー』(13年)と、立て続けに話題作に出演。

瞬く間に売れっ子美人女優となった彼女だが、その演技の幅は実に広く、2014年にトム・クルーズと共演した、SF大作『オール・ユー・ニード・イズ・キル』では、徹底した肉体改造を行って豪快なアクションに挑戦。
一方、同年に出演したミュージカル映画『イントゥ・ザ・ウッズ』では、見事な美声を披露している。

カンヌの記者会見(5/19:現地時間)左よりベニチオ・デル・トロ、エミリー・ブラント、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ジョシュ・ブローリン  Photo by Yoko KIKKA

そんな若手実力派のエミリー・ブラントが、巨大化した麻薬カルテルの撲滅を目指すFBI捜査官を体当たりで熱演し、昨年のカンヌ国際映画祭コンペ部門に選出された、社会派のサスペンス・アクション『ボーダーライン』が、4月9日に公開される。

物語の舞台はアメリカとメキシコの国境の町フアレス。百戦錬磨のリーダー(ジョシュ・ブローリン)率いる米国防総省の特別部隊にリクルートされた、エリートFBI捜査官のケイト(エミリー・ブラント)は、謎のコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)と共に国境付近を拠点とする麻薬組織を撲滅すべくCIAの極秘作戦に参加する。
だが、あまりにも常軌を逸した作戦内容や、人命が簡単に失われていく過酷な現場に直面した彼女は、倫理観を揺るがせ、葛藤するが……。

監督は『プリズナーズ』『複製された男』『灼熱の魂』で知られる、カナダの俊英ドゥニ・ヴィルヌーヴ。撮影監督は名手ロジャー・ディーキンスが務めた秀作だ。

開けっぴろげに笑う姿が実に印象的だったカンヌの会見  Photo by Yoko KIKKA

本作がワールドプレミアされ、関係者が一堂に会した2015年のカンヌ国際映画祭の公式記者会見は、非情な麻薬戦争の現実をリアルに描写した映画の硬派な内容とは打って変わり、始終和気あいあいとした雰囲気で進行した。
出演陣は口々に撮影の模様をユーモアたっぷりに披露してくれた。

また、会見中、エミリーが大声で開けっぴろげに笑う姿がとても印象的で、その気取らない素顔に好感度がアップ!
様々な役柄に挑戦し、年を追うごとに魅力を増すエミリー。
2016年5月には、次作『スノーホワイト 氷の王国』の公開も控えており、今後の活躍がますます楽しみな女優である。
(Text by Yoko KIKKA)

吉家 容子(きっか・ようこ)
映画ジャーナリスト。雑誌編集を経てフリーに。
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