”カンヌの申し子”と言ってもいい河瀬直美監督が、2013年のコンペティション部門の審査員以来3年ぶりに今度は、2016年カンヌ国際映画祭のショートフィルム&フォンダシオン部門の審査員委員長になったことがわかった。
カンヌ映画祭短編コンペティション部門は、短編作品でのパルムドールを選出する部門。
またシネフォンダシオン部門は98年に作られた部門で、世界の学生の作品が対象となっている。
この部門においては日本人としては、14年に平柳敦子監督が「Oh Lucy!」が2位に選ばれたのが唯一の受賞。
日本人が、カンヌ国際映画祭で審査委員長に就任するのは初めてのこととなる。
河瀬監督は就任にあたりコメントを発表した。
「映画は人々の人生を豊かにし、それらの世界は新しい可能性を引き起こします。
100年すこしの流れの中で、映像の持つ可能性は、ずっと拡大しているからです。それらは、世界文化の多様性を具体的に示すことができる例外的なメディアであり、そこからの物語は、見る聴衆を魅惑する別の人生を表せます。
また、短編は、短い時間の中にどれほどの物語を体験させられるのかという意味においては、非常に難しく、同時にまだ見えない可能性を多々秘めています。それとともに、学生時代に創作された作品の中から、宝石の原石の輝きを発見するということ---。
審査においては、これからの映画界への希望を胸に、無垢なまなざしをもって向き合いたいと思っています。」