インスタグラム、ツイッター全盛のこの時代、ミネソタ育ちのこの兄弟監督は、オフィシャルでは、あまり多くを語らず、プライベートを大事にしている。
プレス会見では、いまだにぎこちなく応答し、イーサンは、毎度、はぐらかすように答え、学者肌のジョエルは、答えるべき質疑については、生真面目に回答する。
そんな彼らのインディーズ精神溢れる独創的な作品に引き寄せられ、Aリストのトップ・スターたちは、こぞって出演したがる。インタビューを通して、コーエン兄弟の素顔を垣間見た。

兄・ジョエル・コーエン(写真/左)、弟・イーサン・コーエン(写真/右)

低予算サスペンス映画「ブラッド・シンプル」で衝撃的なインディーズ・デビューを果たしてから、32年の歳月が経った。
現在、兄・ジョエル(61歳)は、妻であり女優のフランシス・マクドーマンドとNYのアッパー・ウエスト・サイドにあるアパートメントのペントハウスで静かに暮らしている。弟・イーサン(58歳)は、映画の編集者、トリシア・クックと結婚し、マンハッタンにある彼らのプロダクション・オフィスまで自転車で通勤する日々。仕事場以外では、二人が一緒にいることはあまりなく、互いのプライバシーを大切にしているようだ。

映画を昔のように浴びるほど映画館で見るような生活はままならないが、「アカデミー賞の協会がノミネート全作品のDVDを配布するというのは、あまりに馬鹿げていて、映画は、自分の時間を使って、劇場に足を運んで、大きなスクリーンで堪能してこそ、作品の価値が分かるものだ」とジョエルは述べています。
海外バラエティ誌でのインタビューでは、最新作「ヘイル、シーザー!」(5/13金・全国公開)についての話を聞いていますが、マニアックなコーエン兄弟ファンなら最も気になることにも答えてくれています。それはズバリ!代表作の続編製作の構想はあるのか?

ー「ビッグ・リボウスキ」の続編が構想中という噂を聞きました。
ジョエル「「ビッグ・リボウスキ」の続編を作らなければならないという義務は感じていないよ」

ー「ビッグ・リボウスキ」のデュードの対戦相手の奇天烈なボウラー、ジーザス役のジョン・タトゥーロが、「ジーザスのスピンオフ映画があるかもしれない」と云っていました。
イーサン「そんな構想はないよ、でも「バートン・フィンク」の続編構想はある」
ジョエル「続編タイトルは、「オールド・フィンク」さ、ジョン・タトゥーロが、ジジイになるのを待ってるんだ、だから直ぐには撮らない、でも、そろそろかな」

ジョエルの妻、フランシス・マクドーマンドとの出会いは、彼らの処女作「ブラッド・シンプル」に出演したからですが、そもそも低予算映画だったので、キャスティングをするにも映画を観まくって女優を探すくらいのことしかできず、たまたま観た映画に出ていたホリー・ハンターに出演依頼をして多忙のため断られ、ホリーのルームメイトのフランシスがオーディションに来て、受かったのがキッカケなのだそう。

TVドラマ化で大ヒットした彼らの代表作「ファーゴ」にも監督として関わる気は全くなかったと云い、映画という場を大事にして、彼らのペースを決して乱さず、生き馬の眼を射貫くハリウッドで悠々とそして、ヌケヌケと作家活動をし続けていることを伺い知ることができます。

映画『ヘイル、シーザー!』本予告(90秒)

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