New face Night vol.1 佐藤快磨監督特集 大盛況のうちに閉幕! 

2月19日(金)に本Webマガジンcinefilが主催した「New face Night vol.1」として佐藤快磨監督の特集上映を行い、立ち見もでるほどの盛況のうちに幕を閉じました。
短編映画「ぺい」、映画「ガンバレとかうるせぇ」の二作品の上映とキャスト・監督登壇の舞台挨拶、さらに映画「リュウセイ」などを手掛ける谷健二監督と佐藤監督に登壇して頂き、トークイベントを行いました。
「New face Night vol.2」は3月29日(火)を予定しております!詳細は追って発表をお待ちください。
充実したトークイベントの内容を以下に掲載致します。
足をお運び頂きました皆様、誠にありがとうございました。
是非今後とも佐藤快磨監督の作品に注目いただければ嬉しいです!

佐藤快磨監督「ぺい」より松木大輔さん、入江庸仁さん「ガンバレとかうるせぇ」より堀春菜さん、細川岳さん(左から)舞台挨拶の様子

トークイベントの内容をたっぷりご紹介!

トークベントの様子


それではよろしくお願い致します。

【佐藤快磨監督(以下、敬称略)】佐藤快磨です。本日は本当にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。上映自体久しぶりで、このような機会を頂けたことも大変嬉しく思っております。
【谷健二監督(以下、敬称略)】映画「リュウセイ」などを手がけました映画監督の谷健二です。よろしくお願い致します。

【佐藤】谷監督の作品は拝見していて、役者の方がのびのびやっているような、作品全体が優しい印象を受けました。

【谷】意識はしていないのですが、監督の醍醐味は自分が最後にカットかけるまでを役者さんが芝居をしないといけないので、その間というのは僕しかカットかけられないので、ひっぱればひっぱるほどちょっと楽しくなってくるんですよね(笑)。とにかく楽しみながらやろうかなというスタンスです。逆に佐藤監督の作品についてなのですが、「ぺい」という作品は他の関係で見せてもらうことがあったのですが、今日も改めて面白いなと拝見しました。もう一つの「ガンバレとかうるせぇ」は、僕もずっとサッカーをしていたんですけれども、この高校生の部活の不条理さというか凄く頑張ってるやつもいるんだけど、頑張ってないやつもいるし。サッカーが題材だけれども、青春映画ですね。高校時代を思い出しながら、懐かしくせつない気持ちになりました。

お二人ともサッカーを題材にした映画を撮られていますね。先ほども少し触れられていましたが、その理由などがあれば教えてください。

【谷】サッカー経験者ではあるのですが、あんまり意識せずに原作の漫画が面白かったから撮りたいなという感じでしたね。なので、そんなにこだわりはなかったです。ただ、ユニフォームの着方ひとつでも、サッカーをしている人から見たらちょっと違うなとか思うところがあるので、その点では経験者であることが活かされていると思います。今回の佐藤監督の作品の主人公の背番号は17番で、ボランチの子は7番だし、生意気な後輩は9番だし、背番号こだわっているなと感じました。主人公の子は2年生のときに17番で、そのまま三年生でも17番をつけているのかなとか、勝手に想像を膨らましながら楽しんでいました。

【佐藤】実はユニフォームは僕は10番を着てほしかったんですけど、キャプテン役の細川くんがサイズ感にこだわって。17番だけサイズが少し小さくて、それがいいっていうのが理由だったんですが。

【谷】なるほど。まあ、背番号はサイズ感だったんですね(笑)ちなみにあの子は、ポジションはどこなんですか?

【佐藤】彼はフォワードですね。キャプテンのサッカーシーンについては、細川くんが凄く練習してくれて、彼はサッカーの経験が部活とかでなかったのに毎日走って無回転シュート打てるくらいまでできるようになったらしいんですけど、でも今回はなしでということで・・・申し訳なかったですね。でもそうのめり込んでやってもらったのは有り難かったです。

【谷】そうなんですね。

ここで、事前に観客のみなさんに考えて頂いた質問にお答え頂ければと思います。
先ほどはサッカーやっていたときには映画の世界にはいるとは思っていなかった・・・というお話があったと思いますが、映画の世界に入るきっかけや出会いはお二人はどのような形だったのでしょうか。

【佐藤】僕は青山学院大学の経済学部に通っていて、当時は映画を多く見ているわけではありませんでした。そんな中、就職活動をしはじめたのですけれども。元々サッカーのナイキのCMとかが好きで、それを見てサッカー頑張ろうとか思っていたことがあって、映像制作の道に進みたいなと思いはじめました。でも就職活動では、「君やったことないのになんでやりたいってわかるの?」と、まあ圧迫をされまして(笑)「確かに何もやったことないな」と思って調べたら、ニューシネマワークショップという1年間の映画の専門学校がでてきたので、1年間やってみることにしました。サッカー部をやめてから同じぐらいの熱量を注げるものにあまり出会えてなかったのですが、やってみてこれだなと思って、今に至ります。

【谷】僕も実は18歳くらいまでは映画をほとんど見たことがなかったです。本当に「ゴジラ」とか「ガンダム」とかで・・・。サッカーを二十歳くらいまでやっていたんですけれども、これはもうだめだなと思った時に出逢ったのがタランティーノの作品でした。あとはデビットフィンチャーとか。凄く感動して、映画やってみようと思って東京に出てきました。東京に来ても、佐藤監督のように映画学校に行くという発想がなかったので、ずっとフリーターをしていましたね。自主映画の手伝いをしていたりはしていたのですが、手伝いなので監督になるような道はなくて、そして結局会社員になりました。でも30歳くらいになって「あれ、東京に映画撮りに来たんだよな」ということを考え始めて、短編映画を撮りはじめました。その後短編を5本撮って、それで長編の「リュウセイ」という作品を撮って・・・30歳から勝手に映画を不思議と撮り続けられている状況ですね。

【佐藤】それは短編撮った5本が評価されてということですよね。

【谷】1本目の短編を撮った時に多くの映画祭に送ったんですけれども。全然だめで、自分の感覚がおかしいのかなと思ったときにとある映画祭のスタッフの人から「たくさん集まった作品の中であなたの作品が一番良かったです。」といってもらえて、もう少し続けてみようみたいな。その手紙がなければ間違いなくやめてたなと思います。

ありがとうございます。もう一つ観客の方からの質問です。
監督として演技指導・空間の使い方・撮影や編集など色々な要素に気を配ると思いますが、その中でも特に自分はここに気を使っているということがあれば教えてください。

【佐藤】僕は役者さんが中心であるという感覚でやっています。自分が映画を観ていて、役者さんの表情やセリフが印象に残った映画が好きだなと感じることが多くて、そこを上手く:・・演出するというよりは役者さんとの時間を多く頂くということですね。僕は凄く口下手で、良く狼狽してしまうんですけれども。(笑)諦めずにたくさん時間作って頂いて、結構その役について色々話し合うことが多いです。

【谷】今回の作品はどのような形だったんですか。役者さんは全員プロなんですか。

【佐藤】実は主役の細川くんはバイト先が同じで、この映画を撮りたいというところからずっと一緒に話していました。細川くんと先生役の方はこの作品以前から役者をしていて、堀春菜さんは今回が初主演ということですね。それ以外は同じバイト先の方や友達がほとんどです。堀さんは撮影の直前に出演が決まって、当時高校1年生だったのでお母さんも心配なままに秋田に来てもらいました。堀さんとは秋田で会って喋って、彼女は混乱して泣いてしまうこともありましたが、どこかでばちっと役者としてのスイッチがはいって、素晴らしかったですね。

【谷】そうなんですね。僕が監督として気を使っているところは演技もそうですし、スタッフの選択みたいなことも全部そうですが、最終的にはこの画面の画が自分の作品として世に出してよいかということですね。少し違うなという役者がいればハケてっていうし、もう少し近づいてとか、カメラが寄った方がいいとかそういう画にこだわりをもっています。絵コンテを書いても、撮影の当日はカメラを覗き込んでという形になります。ロジックというか感性ですね。

ありがとうございます!気になる次回作がお二人とも控えていると思いますが、その紹介をお二人にお願いします。

【佐藤】ndjc若手映画作家育成プロジェクト2015というものがあって、この度選出して頂きました。30分ほどの作品を35mmフィルムで撮影する貴重な機会で、「壊れ始めている、ヘイヘイへイ」という作品を撮りました。3月5日からユーロスペースで連日19:30から上映致しますので、是非お越しいただければ嬉しいです。主演の太賀さんと岸井ゆきのさんが素晴らしかったので、お二人を観て頂ければと思います。

【谷】次回作「U-31」は今年夏に公開します。サッカーのプロで引退間近の選手というところにフォーカスしました。戦力外通告を受けた元スター選手の話で、ジェフユナイテッドさんにも全面協力してもらい、若手俳優の馬場さん、中村を中心にサッカー好きの大杉漣大杉連さんや勝村さん、谷村さんにも出演して頂いています。

ありがとうございます。最後に一言お願い致します。

【谷】若い監督さんに上映のきっかけを与えるこのイベントを素晴らしいなと思います。といってもまだ僕も三十代ですけれども。(笑)でも、佐藤さんは26歳と聞いて・・・すごくびびりましたね(笑)僕から技術的にもみても素晴らしいと思いますし、僕自身もこういう機会には積極的に足を運んで色々な新しい監督にも出会ってみたいと思いました。ありがとうございました。

【佐藤】本日は金曜日の夜にも関わらず、お越しいただきましてありがとうございました。この先も映画を撮り続けていきたいと思っておりますので、佐藤快磨(さとうたくま)という名前だけでも憶えて帰って頂ければと思います。今後の作品にも注目して頂ければ本当に嬉しいです。ありがとうございました。

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