名匠東陽一監督の新作『だれかの木琴』が9月に公開されることがわかった。
原作は、直木賞作家・井上荒野氏の同名小説。
常盤貴子、池松壮亮に勝村政信、佐津川愛美などが出演。
東監督は『もう頬づえはつかない』でインディペンデント映画としては異例の観客動員数を記録し、その後、『四季・奈津子』(1980年)、『ザ・レイプ』(1982年)、『化身』(1986年)など、女性の美と生を巧みに描いた快作をたて続けに発表。
1992年、住井すゑのベストセラー小説を映画化した『橋のない川』は観客動員数200万人を超えるヒットを記録。1996年の『絵の中のぼくの村』は芸術選奨文部大臣賞、第46回ベルリン国際映画祭銀熊賞などをはじめ、国内外で数多くの賞を受けた。
常盤は、「あの! 東陽一監督の映画に参加させていただけるなんて。『ザ・レイプ』『もう頬杖はつかない』にあこがれ、興奮していた女優を始めた頃の私に教えてあげたいです!」と大感激。小夜子役については、「監督から、『役作りはしないでください』と強く何度も言われていた」と振り返り、「『役作りをしない』役作りに挑戦」したと明かす。また、池松を「東陽一監督作品の一部であろうとする姿が、同じ志を抱いていた私にとっては最高の理解者であり、最強のパートナー」と表現している。
一方の池松も、「東監督の作品に出演できるなんて、うそじゃないかと思いました。また1つ大きな夢がかなってしまった気分」と誇らしげ。海斗役も常盤同様に「はっきり言ってほとんど東さんに預けていました。僕がやるべきことは、用意してもらった世界を信じることくらい」と回顧する。常盤については「現場で何も言わず真摯にやってのける姿がとても印象に残っています」とした上で、「その強さは美しく小夜子という1人の女性に深みと迫力を感じました」と称賛する。