現地時間20日、第66回ベルリン国際映画祭授賞式が開催され、前評判通りコンペティション部門の最高賞にあたる金熊賞は、ジャンフランコ・ロージ監督のドキュメンタリー映画『ファイヤー・アット・シー(英題) / Fire at Sea』が獲得した。また、同時に本作は、エキュメニカル審査員賞、アムネスティ・インターナショナル映画賞、ベルリナー・モルゲンポスト紙読者審査員賞も受賞した。

映画の内容は、難民問題を取り上げており、今年の映画祭の主要なテーマとしても注目されていた。

ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作『Fire at Sea』海外予告

Fire at Sea (Fuocoammare) 2016 Film Trailer

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http://www.roma-movie.com/director.html

エリトリア国アスマラ出身、現在はイタリアならびにアメリカ合衆国民。イタリアの大学を卒業後、1985年にニューヨークへ移住。ニューヨーク大学映画学科を卒業後、インド全土を旅し、中編「Boatman(原題)」の製作と監督を務めた。この作品でサンダンス映画祭、ロカルノ国際映画祭、そしてトロント国際映画祭などで多くの賞を受賞。
2008年、カリフォルニアで撮影した初の長編作「Below Sea Level(原題)」では、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ賞ならびにその年の最優秀ドキュメンタリーに贈られるDoc/It賞、2009年のニヨン国際ドキュメンタリー映画祭ではグランプリと新人賞、ワンワールド国際人権映画祭では作品賞、バーリ国際映画祭では最優秀ドキュメンタリーに贈られるヴィットリア・デ・セータ賞を受賞し、ヨーロッパ映画賞にもノミネートされた。2010年にはメキシコの麻薬カルテルの元暗殺者のインタビューを映画化した「El sicario – Room 164(原題)」を作製。ヴェネチア国際映画祭の国際批評家賞ならびに、Doc/It賞を受賞した。
その後、2010年にはリスボン国際ドキュメンタリー映画祭、また2011年にはテルアビブ国際ドキュメンタリー映画祭の作品賞を受賞。映画の他に、数々の公共広告も監督し、ニューヨーク大学映画学科、ルガノの南スイス応用科学芸術大学、ならびにジュネーブの造形美術大学では客演講師も務めた。
前作の『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』では、ヴェネチア国際映画祭にて金獅子賞を受賞している。

ヴェネツィア映画祭金獅子賞受賞作『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』

ローマ環状線、めぐりゆく人生たち

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また、最優秀監督賞(銀熊賞)には、『EDEN』のミア・ハンセン=ラブ監督『シングス・トゥ・カム(英題) / Things to Come』が選ばた。