映画『ストレイト・アウタ・コンプトン(原題: Straight Outta Compton)』

アイス・キューブやドクター・ドレーら大物ラップアーティストが結成していた伝説的グループで、今なお多くのアーティスト、リスナーに影響を与え続けている西海岸が生んだヒップホップグループ「N.W.A.」のグループ結成から解散、そしてその後を描いた実録音楽ドラマ。

カリフォルニアの中でも犯罪発生率の高いコンプトンで、彼らがラップで成功をつかんでいく姿を追い掛ける。
メガホンを取るのは『完全なる報復』などのF・ゲイリー・グレイ。アイス・キューブの息子のオシェア・ジャクソン・Jr.やコーリー・ホーキンス、ジェイソン・ミッチェル、ポール・ジアマッティらが結集する。「N.W.A.」のメンバーだったドクター・ドレー、アイス・キューブ、亡くなったイージー・Eの未亡人トミカ・ライトが製作陣に名を連ねている。

波瀾万丈を極めたドラマはもちろん、全編に響き渡るストリートの苛酷さを訴えたラップにも心を奪われる。ああ、なんなんだろう? この感じ…。血湧き肉踊る感じというか、忘れていた何かが動き出した感じというか、とにかくアガるね。ガツンと来た。震えた。147分、ずーっと前のめり。もっともっとずーっと観ていたい、感じていたい。音楽映画として大傑作というのはもちろん、エンタテインメント作品としても社会性も備えた素晴らしい作品だ。そもそもあの頃のボクにとってパブリック・エナミー(東海岸の雄)と並んで「N.W.A.」はヒーローだった。カリフォルニアっぽい乾いたサウンドが気持ち良かったんだ。貧困、差別からの成功、カネ、暴力、ドラッグ、セックス、裏切りという流れの中で、彼らは常に音楽と向き合い、終始自分たちのスタイルを貫き通して、いつでも音楽を武器に闘うんだよね。その姿勢に胸が熱くなった。

トラックや曲が作り上げられていく過程やレコーディングシーンに興奮。どのライブシーンも圧巻。デトロイトでの公演シーンは鳥肌モノ、いや号泣…。今思い出しても涙出てくる…。
構成や演出、特にカメラワークが生々しく、役者陣の演技力も加わって、リアリティや緊張感がタップリで本当に素晴らしい。さらにライブシーン含め音楽がカッコイイ。是非とも劇場で大音量で体感すべき。こういう作品に賞を獲ってもらいたいなあ。最高にカッコイイ青春映画。とにかくオススメ‼︎ さあ、CD聴こう!!

シネフィル編集部 あまぴぃ

ストレイト・アウタ・コンプトン:予告編

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