1月31日 (現地時間)日曜日の19:15という映画祭のなかでも最も注目度の高い上映時間帯にワールドプレミアを迎えた『シェル・コレクター』
会場のPathe(パテ)は満席、地元ロッテルダムの観客だけでなく、各国映画祭のディレクターやプロデューサー、そしてキャストファンのアジアの観客など幅広い観客を集め、本作への注目度の高さを示した。
上映前の舞台挨拶に坪田監督、リリー・フランキー、橋本愛、牧野貴の4人が登壇。
リリー・フランキーはスーツ姿、橋本愛は黒地にシルバーの花柄の和風なワンピースのドレスに赤いウィッグで登壇。
北野武を世界に紹介したことで知られる著名な映画評論家であるトニー・レインズの司会によって、それぞれが紹介された。

『シェルコレクター』ワールドプレミア

坪田監督は「ロッテルダム映画祭は2回目ですが、作品を創るごとに招待していただいて、とても幸せな気分です。この映画は盲目の貝類学者が自然への畏怖を感じる映画ですので、観客の皆さんにも何かを感じ取っていただければと思います」と挨拶。
リリー・フランキーは「この映画は監督の妄想世界を映像化しまして、観たら不思議な気分になられるかもしれません。外は雨が降っておりまして、最後まで観ていただけると、雨もやんでいるかもしれません。最後まで頑張ってみてください」。
橋本愛は「この作品は日本でもすごく稀有な作品となったと思いますので、観終わったあとにちょっとびっくりされるかと思いますが、是非最後の言葉にできない余韻まで楽しんでいただけると幸いです。」と、観客に向けて、それぞれの思いを語った。

坪田監督、リリー・フランキー、橋本愛

Q&Aでは司会のトニー・レインズから、今年のロッテルダム国際映画祭にはリリー・フランキーの出演作が3本招待されていることに触れ(『シェル・コレクター』『恋人たち』『トイレのピエタ』)他の2本では非常に嫌な人を演じているが、本作で盲目役を演じることの難しさはどういうものだったかという質問が投げかけられた。
それに対しリリー・フランキーは「盲目役は盲目指導の人もいたので難しくはなかったが、それよりも本作はCG全盛の時代に反してアナログな撮りかたで、実際に水中5メートルもぐって演技をしなければならないことが一番大変だった」と答えた。

Q&Aの最後には、ロッテルダム国際映画祭のシンボルマークである虎のイラストが入ったチョコレートが、トニー・レインズより坪田監督とリリー・フランキーに手渡された。
ロビーでは、リリー・フランキーのファンの女性が駆け寄って話しかける姿も見られ、日本映画の秀作への出演を続けているリリー・フランキーの国際的な存在感を示した。
また、フォトコールには、劇中にも出演しジム・ジャームッシュ作品のプロデューサーを長年務めたジム・スタークも駆けつけ、久しぶりの再会に笑顔がはじけた。
リリー・フランキー、橋本愛ともにロッテルダム国際映画祭への参加は初めて。
リリー・フランキーは『ぐるりのこと。』でベルリン国際映画祭、『そして父になる』でカンヌ国際映画祭、『野火』でヴェネチア国際映画祭と世界三大映画祭を経験済み、橋本愛は主演作『リトル・フォレスト』で、2015年ベルリン国際映画祭で海外映画祭へ初参加、『シェル・コレクター』で2度目の海外映画祭への参加となった。

本作は、ピューリッツァー賞受賞作家アンソニー・ドーアの同名小説を原作に、デビュー作『美代子阿佐ヶ谷気分』が各国の映画祭で絶賛され、2012年文化庁在外芸術家派遣によりニューヨークでも活躍してきた坪田義史監督が、舞台を沖縄に置き換え、オール沖縄ロケで撮影しました。

厭世的生活を送る主人公の盲目の貝類学者にリリー・フランキーを迎え、寺島しのぶ、池松壮亮、橋本愛といった豪華共演者が脇を固めます。坪田義史監督作品は前作『美代子阿佐ヶ谷気分』も第39回ロッテルダム国際映画祭コンペティション部門に出品され大きな評価を受けています。
また、本作で抽象映像監督を務めた牧野貴の短編「cinema concret」が、短編部門のタイガーアワードコンペに出品。1/30、31に上映されました。

橋本愛

・美大出身者勢ぞろい!!
リリー・フランキー(武蔵野美術大学卒)、坪田義史監督(多摩美術大学卒)、抽象映像監督・牧野貴(日本大学芸術学部卒)、脚本・澤井香織(東京藝術大学大学院卒)。美大出身者たちが創りだす、新感覚映画が誕生!
・日米の才能が集結!!
原作:アンソニー・ドーア「シェル・コレクター」(米)、音楽:ビリー・マーティン(メデスキ,マーティン&ウッド
)(米)、プロデューサー:黒岩久美(『スモーク』『ブルー・イン・ザ・フェイス』プロデュース)、エリック・ニアリ(『CUT』プロデュース)(米)、劇中絵画:日本とアメリカで活躍する画家・下條ユリ、抽象映像監督:牧野貴……と日米の才能が集結して、未体験の映像世界が完成!
<貝の螺旋が描き出す官能的な美しさに魅入られた人々の物語>
盲目の貝類学者を演じるのはリリー・フランキー。本作が実に15年ぶりの単独主演作となる。
いづみを演じるのは日本映画界に不可欠な女優、寺島しのぶ。学者の息子・光役に、受賞が続く若手実力派俳優・池松壮亮、いづみと同じ奇病に冒された娘・嶌子には話題作の公開が相次ぐ女優、橋本愛。貝が魅せる螺旋の美しさ、沖縄の海と空の雄大さ、そして実力派俳優たちが織り成す孤独と再生……。
貝の毒は奇病を救う薬なのか、それとも自然が人間に与えた警鐘なのか。自然の中で生きる人間に向けたメッセージが詩的な映像美で描き出されます。

映画『シェル・コレクター』予告編

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◆ストーリー
貝の美しさと謎に魅了され、その世界で名を成した盲目の学者は妻子と離れ、沖縄の孤島で厭世的生活を送っていた。
しかし、島に流れ着いた女・いづみの奇病を偶然にも貝の毒で治したために、それを知った人々が貝による奇跡的な治療を求めて次々と島に押し寄せるようになる。その中には息子・光や、同じく奇病を患う娘・嶌子を助けようとする地元の有力者・弓場の姿もあった。
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リリー・フランキー  池松壮亮 橋本 愛 普久原明 新垣正弘 / 寺島しのぶ
監督・編集:坪田義史(『美代子阿佐ヶ谷気分』
脚本:澤井香織、坪田義史
原作:アンソニー・ドーア『シェル・コレクター』(新潮クレスト・ブックス刊)
(C)2016 Shell Collector LLC(USA)、『シェル・コレクター』製作委員会
www.bitters.co.jp/shellcollector
配給:ビターズ・エンド

2月27日(土)より、
東京:テアトル新宿、沖縄:桜坂劇場他全国順次ロードショー!