シネフィル映画短評 第158回『メモリーズ 追憶の剣』

映画『メモリーズ 追憶の剣(原題: Memories of the Sword)』

『G.I.ジョー バック2リベンジ』などでハリウッドでも活躍する人気韓流スター、イ・ビョンホンの『王になった男』以来4年ぶりとなる韓国映画主演作のソードアクション。

高麗王朝末期を舞台に4人の剣士たちが戦場へと足を踏み入れていく様が描かれる。
仲間を裏切った過去を持つ権力者役のイ・ビョンホンは、スタントなしの立ち回りやワイヤーを駆使したアクションも見せる。共演には『シークレット・サンシャイン』で韓国人として初めて第60回(2007年)カンヌ国際映画祭女優賞に輝いたチョン・ドヨン、『その怪物』などのキム・ゴウン、『監視者たち』などで俳優としても活躍する人気グループ2PMのジュノら豪華キャストが脇を固める。

アクション・ファンタジーと言ってもいいのかなあ。
すごく古典的な印象で深く濃密で純真な愛が描かれてもいるんだよね。悲恋でもあるんだけれど…。何より映像が美しいよ。高麗時代の衣裳は華やかで、セットや風景は目を見張るし、驚きの身体使いで剣戟を交わす激しいアクションシーンすらも美しい。
イ・ビョンホンは己の野望に揺れる哀れな男を好演。1人の男の変貌を演じ分け、見事といって良い演技。アクションも華麗。キム・ゴウンは若さに溢れ、とにかく瑞々しい。そしてキレイ。チョン・ドヨンは抑え気味な演技の中にもさすがの存在感。ジュノは演技もアクションも素晴らしい。
そしてカッコイイね。ラストはジワジワと感動が押し寄せて、余韻が残る。
映画館の大きなスクリーンでこの作品の映像美に圧倒されるべき。

シネフィル編集部　あまぴぃ