映画『フランス組曲(原題: Suite Francaise)』

1942年にアウシュヴィッツでその生涯を閉じた女性作家イレーヌ・ネミロフスキーの未完となっていた小説を基にしたヒューマンドラマ。

ナチス・ドイツ占領下のフランスを舞台に、音楽を通じて心を通わせるフランス人女性とドイツ人将校の姿を見つめる。
『ある公爵夫人の生涯』などのソウル・ディブが監督・脚本を手掛け、『マリリン 7日間の恋』などのミシェル・ウィリアムズ、『イングリッシュ・ペイシェント』などのクリスティン・スコット・トーマス、『君と歩く世界』などのマティアス・スーナールツ、『スーサイド・スクワッド』のマーゴット・ロビー、『ローン・レンジャー』などのルース・ウィルソンら実力派が顔を揃える。
彼らが織り成すストーリー展開や、重厚かつ繊細な映像も見どころ。
あん…切ない…、切ないねぇ…。2人の出会いが戦時中でなければ良かったのにと思うも、戦時中でなければ出会わなかったという皮肉…。切ないねえ、切ないよ…。

人目を忍ぶ2人の禁じられたラブストーリーだけではなく、それを軸に夫の愛人の存在、厳格で嫌みな義母、住民たちによる密告、妻に言い寄るドイツ軍将校を殺す小作人、ユダヤ人母娘など戦時下に生きることの過酷さや不条理、悲劇などが織り交ぜられ、物語が膨らんでいくんだよね。
風景や画調、音楽などで当時の雰囲気はヒシヒシと伝わってくる。役者陣も豪華よね。ほぼ全編英語なのには興醒めしたけれど…。主役を演じたミシェル・ウィリアムズは独特の雰囲気が何だか良いんだよね。垢抜けない感じが逆にソソるというか。ボク的にはドイツ軍将校に言い寄られる小作人の妻を演じたルース・ウィルソンの上唇がたまらなかった…。

劇中で演奏される「フランス組曲」はオリジナルなのかしら? すごく良い曲で、物語にも映像にもすごくマッチしてたなあ。終盤、ドイツ軍に追われる小作人を連れ出す主役を見逃す将校。言葉を交わさずに見つめ合ったまま別れる2人には切なさで圧し潰されそうになったよ…。狂おしい愛というか、想いというか…。とにかく切なかったなあ。

シネフィル編集部 あまぴぃ

映画『フランス組曲』予告篇

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