古典文学の名作から同時代のベストセラー小説まで、いつの時代も映画と文学の関係。
映画は書物から生まれ、書物は映画化されることでさらに読者を広げてきました。
『映画が恋した世界の文学』展は、両者が辿ってきた豊かで親密な関係を、ポスター資料の展示と文学を原作に持つ映画作品の上映から見つめ直して解読します!
シェイクスピア、ドストエフスキーからA・クリスティ、、S・キングまで数々の世界の名作文学を原作に映画化されたものを、ポスター資料での展示。
加えて映画化され名作となっている映画もあわせ観ることができるという、欲張りな企画。
新年から春に向けて、ちょっと足を伸ばして鎌倉デートにも最適な、素敵な企画です!
上映作品
ウエスト・サイド物語(152分/1961年)
1月5日(火)~7日(木)
ロバート・ワイズ監督、ジェローム・ロビンス監督
出演:ナタリー・ウッド、リチャード・ベイマー、ジョージ・チャキリス
原作:ウィリアム・シェイクスピア「ロミオとジュリエット」
シェイクスピアの古典戯曲「ロミオとジュリエット」を題材に、舞台を現代に移し、不良少年グループ同士の対立から起こる青春悲劇をミュージカル映画に仕立てた不朽の名作。その年のアカデミー賞を総なめにした。
昼下りの情事(134分/1957年)
1月8日(金)~10日(日)
ビリー・ワイルダー監督
出演:オードリー・ヘプバーン、ゲイリー・クーパー、モーリス・シュヴァリエ
原作:クロード・アネ「アリアーヌ」
原作者クロード・アネの代表作「うたかたの恋」(原題:マイヤーリング)のテレビ映画版でも主演を務めたオードリー。彼女が得意とした欧州が舞台の文芸ロマンスもので、かつ女優としても全盛期にあったオードリーの魅力が存分に堪能できる一作。
パルムの僧院(173分/1947年)
1月19日(火)~21日(木)
クリスチャン・ジャック監督
出演:ジェラール・フィリップ、マリア・カザレス、ルネ・フォール
原作:スタンダール
フランスの文豪、スタンダールの代表作を冒険活劇に仕立て映画化。あまたの女心を虜にする罪作りな美男子だが、一人の女性を一途に想い続けるという、ジェラール・フィリップのキャラクターが確立した作品である。
エデンの東(115分/1955年)
1月22日(金)~24日(日)
エリア・カザン監督
出演:ジェームズ・ディーン、ジュリー・ハリス、ジョー・ヴァン・フリート
原作:ジョン・スタインベック
旧約聖書の「カインとアベル」の物語を下敷きにしたスタインベックの同名小説を映画化。父親からの愛を切望して葛藤、反発する息子をジェームズ・ディーンが演じ、一躍脚光を浴びるが、同年自動車事故により早すぎる生涯を閉じた。
赤と黒(193分/1954年)
2月2日(火)~4日(木)
クロード・オータン=ララ監督
出演:ジェラール・フィリップ、ダニエル・ダリュー
原作:スタンダール
世界文学史上に燦然と輝く、スタンダールによる名作の映画化。ナポレオン失脚後、王政復古時代のフランスを背景に、野心に燃えるジュリアン・ソレルを『パルムの僧院』に続きジェラール・フィリップが見事に演じている。
復活(135分/1962年)
2月5日(金)~7日(日)
ミハイル・シバイツェル監督
出演:タマーラ・ショーミナ、エフゲニー・マトベーエフ
原作:レフ・トルストイ
トルストイの代表作を祖国ソ連で映画化、日本では1965年にATGで公開された。無実の罪で裁判にかけられたカチューシャと、かつて彼女の処女を奪った陪審員のネフリュードフを巡る物語を、「裁くなかれ」という原作の思想に従って忠実に再現している。
さよならをもう一度(120分/1961年)
2月16日(火)~18日(木)
アナトール・リトヴァク監督
出演:イングリッド・バーグマン、イヴ・モンタン、アンソニー・パーキンス
原作:フランソワーズ・サガン「ブラームスはお好き」
デビュー作「悲しみよこんにちは」から5年、サガンが23歳で執筆した「ブラームスはお好き」を豪華キャストで映画化。ブラームスの交響曲第三番第三章から使用した主題曲を背景に、二人の男性の間で揺れる中年女性をバーグマンが円熟した演技で魅せる。
太陽がいっぱい(118分/1960年)
2月19日(金)~21日(日)
ルネ・クレマン監督
出演:アラン・ドロン、マリー・ラフォレ、モーリス・ロネ
原作:パトリシア・ハイスミス
人気ミステリー作家、ハイスミスの代表作の映画化でニーノ・ロータによる音楽の美しい調べと、主演のアラン・ドロンの端正な顔立ちが人気を博し、日本でも大ヒットを記録した。映画史上に残る名作として知られている。
嵐が丘(104分/1939年)
3月1日(火)~3日(木)
ウィリアム・ワイラー監督
出演:ローレンス・オリヴィエ、マール・オベロン
原作:エミリー・ブロンテ
世界文学史上に残る名作の最初の映画化であり、主演のローレンス・オリヴィエが初めてアメリカ映画に出演した作品。映画では原作にある復讐劇の要素は弱められ、荒野を舞台にヒースクリフとキャサリンの悲恋物語が描かれる。
第三の男(105分/1949年)
3月4日(金)~6日(日)
キャロル・リード監督
出演:ジョゼフ・コットン、アリダ・ヴァリ、オーソン・ウェルズ
原作:グレアム・グリーン
字幕翻訳者の戸田奈津子さんをして生涯の一本と言わしめた映画史上の傑作。ビールのCMでお馴染みのテーマ曲をはじめ、全編を彩るチターの音色、光と影のコントラスト、並木道のラストシーンなど、何度見ても忘れがたい作品。
【シネマセレクション 文学と映画の幸福な出会い】
愛を読むひと(124分/2008年)
3月9日(水)、10日(木)、12日(土)、13日(日)
スティーヴン・ダルドリー監督
出演:ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ、デヴィッド・クロス
原作:ベルンハルト・シュリンク「朗読者」
1958年のドイツで出会った15歳の少年マイケルと21歳年上のハンナ。二人が本の朗読を通して愛を深めていく前半から、突然姿を消したハンナとマイケルが時を経て、ナチスの戦犯を裁く場で被告と傍聴人という立場で再会する後半へ、映画は大きく転換する。重く悲しい物語にあって朗読がもたらす救いに心揺さぶられる作品。アカデミー賞主演女優賞受賞。
ボヴァリー夫人とパン屋(99分/2014年)
3月9日(水)、11日(金)、12日(土)
アンヌ・フォンテーヌ監督
出演:ファブリス・ルキーニ、ジェマ・アータートン
パン屋を営むマルタンの愛読書は、フローベールの『ボヴァリー夫人』。隣に引っ越してきた美しい人妻の名が偶然にも「ジェマ・ボヴァリー」だったことからマルタンは胸の高鳴りが抑えられない。ところがジェマの生活が本当にボヴァリー夫人の物語をなぞり出し…。フランス、ノルマンディー地方の美しい風景の中で繰り広げられる、ほんのりエロティックでくすりと笑える上質な恋愛喜劇。
ドストエフスキーと愛に生きる(93分/2009年)
3月10日(木)、11日(金)、13日(日)
ヴァディム・イェンドレイコ監督
出演:スヴェトラーナ・ガイヤー、アンナ・ゲッテ
生涯をかけてドストエフスキーの5冊の長編小説をドイツ語に訳し、高い評価を受ける84歳の翻訳家スヴェトラーナ・ガイヤー。彼女の生活の静謐な営みとその中で紡がれていく言葉たち。だがスヴェトラーナのたおやかな眼差しの奥には、激動の時代を生き抜いた数奇な運命があった…。2011年の山形国際ドキュメンタリー映画祭では『五頭の象と生きる女』というタイトルで上映され、市民賞と優秀賞をダブル受賞した。
※先売り券は、記念館窓口、島森書店鎌倉店(鎌倉駅東口)、たらば書房(鎌倉駅西口)、上州屋(大船駅東口)にて発売しております。
※販売枚数に達した場合、当日券の販売はございません。
※ご購入いただいたチケットで展示室もご覧になれます。
※画・音の良好でないものがあります。
場合によっては上映素材・作品の変更がありますことをご了承ください。