映画『わたしはマララ(原題: He Named Me Malala)』

2014年にノーベル平和賞を史上最年少で受賞した17歳の少女マララ・ユスフザイの素顔に迫るドキュメンタリ。15歳だったときの下校途中にタリバンから銃撃された事件について明らかにするとともに、彼女の生い立ちや父親がその名前に込めた想いを映し出す。

メガホンを取るのはアカデミー賞受賞作『不都合な真実』などのデイヴィス・グッゲンハイム。
ブラッド・ピットが好きなごく普通の女の子が、武装勢力の脅威に屈することなく女子が教育を受ける権利を訴え闘う姿に胸が熱くなる。

もうねぇ、素晴らしいよ。少女の強い信念とその言葉に感動したよ、ホント。強いんだよ、とにかく強いの。中学生、高校生にこそ観て欲しいね。
当たり前のように教育を受け、読み書きできる環境の中で暮らしているボクら日本人がいかに幸せか、また、そうではない社会があるということを知るのはとても大事なことだよね。そして“教育”がいかに大切か、ということ…。

ドキュメンタリ作品なのに、所々アニメーションが挿入されててね。
マララの名前の由来になったアフガニスタンの英雄的な少女マラライの話や、マララの小さい頃や父親との想い出などはアニメーションで描かれてて、新鮮というか、斬新というか、あえてドキュメンタリ、ドキュメンタリさせてないんだよね。

一方で作品の中でマララはずっと笑顔なのよね。苦悩みたいなものは全く見えない(?)の、見せない(?)の。それは本人の人間性なんだろうけれどそこもドキュメンタリっぽくないというか…。家で2人の弟と戯れてるところなんかはホントに普通の少女にしか見えないんだけどさ。そのあたりのギャップも含めてとても不思議なドキュメンタリなんだよなあ。
企画・構成的にもドラマ性に満ちてるし、映像や音楽なんかも手伝ってより一層ドラマチックなんだよね。
原題からも分かるように、発言を続けるマララの屈強な人格形成に父親が重要な存在だったことは作品からもわかるんだけど、活動家としての彼の姿はあまり描かれてなかったのが少し残念かな…。熱く逞しい面を見せたかと思うと、普通の少女の表情も見せてくれるマララに心を揺さぶられた。

とても力強くて真っ直ぐなマララの声に心を打たれること間違いなし。
もっと勉強したいなあと思える作品。

シネフィル編集部 あまぴぃ

映画『わたしはマララ』予告編

youtu.be

http://www.foxmovies-jp.com/malala/