「LuckyHouse のポートフォリオ」6
第28回東京国際映画祭で来日
フランスの演技派美形俳優グレゴワール・コラン
1975年7月27日、パリ南部シャトネ=マラブリーを拠点とする演劇一家に生まれたグレゴワール・コランは、1987年、12歳で初舞台を踏み、映画デビューも同年に果たす。
1991年のジェラール・コルビオ監督の『めざめの時』で注目された彼は、続いてアグニェシュカ・ホランド監督の『オリヴィエ オリヴィエ』(1992年)の主人公オリヴィエ役に抜擢され、ミステリアスな雰囲気を漂わせて好演した。
世界的な評価を得たのは、1994年のヴェネチア映画祭金獅子賞(グランプリ)受賞作『ビフォア・ザ・レイン』で演じた修道僧役で、1996年にクレール・ドゥニ監督と組んで主演した『ネネットとボニ』は、ロカルノ国際映画祭で最高賞の金豹賞に輝き、コラン自身も最優秀男優賞を獲得した。
また、彼は『ネネットとボニ』を携え、1997年、1998年と2年連続で来日を果たし(前者はフランス映画祭上映で、後者は日本公開の宣伝プロモーションで)、その卓越した演技力と端麗な容姿で日本のファンを急増させている。
その後もコンスタントに出演を重ね、国際的にも活躍している彼は監督業にも進出。短編映画2本を発表(初監督作「La Baie du renard」は2009年のカンヌ国際映画祭“批評家週間”部門のクロージング作に選出され、2012年の第2作「Lisières」はクレルモン・フェラン国際短編映画祭で最優秀撮影賞を受賞)している。
だが、『ネネットとボニ』以降の公開作がエリック・ゾンカ監督の『天使が見た夢』(98年)、ブノワ・ジャコ監督の『発禁本 SADE』(03年)、河瀬直美監督の『七夜待』(08年)、ファッションデザイナーのアニエスベーが本名のアニエス・トゥルブレ名義で監督した『わたしの名前は...』(カメオ出演/13年)ぐらいで残念な思いをしていたのだが、この度の東京国際映画祭で主演作「フル・コンタクト」がコンペティション部門に出品され、久々の来日を果たすことに。
「フル・コンタクト」で3つのキャラクターを演じたグレゴワール・コラン
オランダの気鋭ダビッド・フェルベークが監督&脚本した「フル・コンタクト」(オランダ・クロアチア合作)が10月27日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、監督と主演のグレゴワール・コランが記者会見を行った。
「フル・コンタクト」は、PTSDに罹ったドローン・パイロットの魂の彷徨を通して現代戦争における精神と肉体の関係に迫った力作だ。
実際にドローン攻撃を経験した兵士のインタビュー映像を見て役作りをしたと言うグレゴワール・コランは、記者会見で「撮影は順撮りではないので、異なる3つのキャラクターの切り替えに苦労した。通常は一人の登場人物の“変化”を演じればいいんだが、今回は3人。普通の役作りとは違い、異なる3つのモノを自分の中で関連付けする作業がとても難しかった」とコメントした。