世界初のアンドロイド女優が、女優賞を獲得するかが話題になっている『さようなら』。
東京国際映画祭で舞台挨拶が開催されました。
深田晃司監督、村上虹郎、石黒浩教授に続き、ブライ アリー・ロングに押されジェミノイド F が車いすで登場すると会場からは、大きな拍手が。
ワールドプレミアを日本でやりたかったという深田監督は、東京国際映画祭コンペティション部門への選出、そして、六本木最大のスクリーンでの上映に万感の思いで挨拶。

主演ブライアリー・ロングは、「『歓待』(2010)で賞(第 23 回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門作品賞) を頂いていて、わたしは、この映画祭に育ててもらったようなもの。またここに帰ってくることができてとても嬉しい」と 流暢な日本語で会場を沸かした。
アンドロイドのレオナ役を演じたジェミノイド F は、「私の演技も思いの外良かったので最優秀女優賞をいただけるのではないか」と述べ、会場が笑いに包まれた。
主演のブライアリーさんに「すみません・・・」と気を遣う場面もあった が、「私が受賞するとアンドロイドが女優賞を受賞するのは世界初のこと」と女優賞獲得へ意気込んだ。

「先ほど、ジェミノイドさんに挨拶したのですが、手の感覚とかやばかったです」とジェミノイドの人間っぽさに驚きの コメントするのは村上虹郎さん。そんな村上さんは、希望を無くした世界の中で、唯一希望の光として存在する役どころ。劇中のあるシーンについて「こんなシーンは今後一生経験できない。他に見たことがない」と見どころを語って くれた。

今回アンドロイドアドバイザーとして関わった石黒教授は、「今まで色んな所でアンドロイドを使ってきたが、アンドロ イドを通して人間との何かを考えるうえで、演出家から学ぶことが多い。アンドロイドを使うことで、人の表現の幅が 広がり、新しい可能性を広げられた」と自身のロボット研究の成果を確信し、「“本物の”アンドロイドの映画出演は、映画界における大きな一歩であり、歴史に残ることである」と説得力のある言葉で本作の凄さを熱弁して頂いた。

本物の人間かのように思えるアンドロイドに場内の観客は始終釘づけ。
人間と会話を織りなすジェミノイド F の姿とその発言に会場に笑いがおき、上映後のQ&A 終了後 には、ジェミノイド F を写真に収めようとする観客が続出。早くも注目女優としての第一歩を踏み出した。

<物語>
日本で稼働する原子力発電施設の爆発によって放射能に侵された近未来の日本。
日本の国土の大半が深刻 な放射能汚染に晒され、政府は「棄国」を宣言した。各国と提携して敷かれた計画的避難体制のもと国民は、 国外へと次々と避難していく。
その光景をよそに、避難優先順位下位の為に取り残された外国人の難民、タ ーニャ。
そして幼いころから病弱な彼女をサポートするアンドロイド、レオナ。
彼女たちのもとを過ぎてい く多くの人々。そしてそれぞれの生と死。
やがて、ほとんどの人々が消えていく中、遂にターニャとレオナ は最期の時を迎えることになる・・・・・。

<原作・アンドロイド演劇「さようなら」とは>
平田オリザとロボット研究の第一人者である石黒浩( 大阪大学教授・ATR 石黒浩特別研究所客 員所長 )が、大阪大学にて 2007 年から共同で進めているロボット演劇プロジェクトの最新作であり、人間俳優とロボットが世界で初めて共演し、芸術と科学が交差する画期的なコラボ レーション作品。
2010 年、世界に先駆け「あいちトリエンナーレ」で初演され、その後も東京、大阪、オーストリア、フランスなどでも上映され、現在も各国より上演依頼が殺到してい る。
まさに 21 世紀初頭に生まれた歴史的記念碑的演劇であると言える。

約 20 分の短編作品の中で、死を目前にした少女にアンドロイドが谷川俊太郎、ランボー、 若山牧水などの詩を淡々と読み続けるその静謐な時間は、「人間にとって、ロボットにとって、 『生』とは、そして『死』とは...」、鋭く問いかける。

映画『さようなら』予告編

youtu.be

脚本・監督:深田晃司(「歓待」「ほとりの朔子」)
原作:平田オリザ
アンドロイドアドバイザー:石黒浩
出演:ブライアリー・ロング、新井浩文、ジェミノイド F、村田牧子、村上虹郎、木引優子
配給・宣伝:ファントム・フィルム

11 月 21 日(土) 新宿武蔵野館他 全国ロードショー!