映画『ザ・ヴァンパイア~残酷な牙を持つ少女~』
(原題: A Girl Walks Home Alone at Night)

俳優のイライジャ・ウッドが製作総指揮を務め、イランの架空の町を舞台に孤独な吸血鬼の少女と人間の青年の運命的な出会いを、新人女性監督アナ・リリー・アマポアーがモノクロ映像の独特な世界観で撮り上げたヴァンパイアホラー。

死と絶望に満ちたゴーストタウン、バッドシティに夜ごと現われる黒衣の美少女。ヴァンパイアである彼女は町で見つけた悪人やホームレスの血を吸って生き続けていた。
ある夜、孤独な青年と運命的な出会いを果たした彼女は次第に彼と心を通わせていくが…。

美しくも残酷なヴァンパイア役に『アルゴ』のシーラ・バンド。シッチェス国際映画祭で審査員賞を受賞するなど世界各地のインディペンデント系映画祭で高い評価を得た。
いやぁ、何から何までスタイリッシュだなあ。ホラーという枠にも収まらないね。モノクロ映像もセンス抜群の音楽もヴァンパイア少女のファッションもとにかくオシャレ。もうそれだけで良いんじゃないか。激しい暴力は時折出てくるけれど、全体的に静かでテンポもゆっくり。サイレント映画みたいに説明も少なくて、でも忘れられないほど美しいシーンがたくさんある。
強い光をバックにヴァンパイアの少女と青年が話すシーンとか、彼女の部屋のミラーボールの光の使い方とか、すごく美しいんだよね。構図もイチイチ決まってるしさ、地響きみたいな不穏な音楽がずっと鳴ってるしさ。猫の演技も素晴らしい。ある意味、カネ、ドラッグ、セックス、工業地帯のような街並という終わりなき日常の退屈さみたいな感じで味気ないんだけどさ。なんだろうね、この何か夢でも見ているような不思議な心地良さがあるんだよね。

とても魅力的で素晴らしい作品だ。この監督はチェックしとこう!!

シネフィル編集部 あまぴぃ

『ザ・ヴァンパイア ~残酷な牙を持つ少女~』予告編

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