映画『悪党に粛清を(原題: The Salvation)』
『偽りなき者』などのデンマークを代表する国際派スター、マッツ・ミケルセンが主演を務め、19世紀アメリカを舞台に描かれる怒とうの西部劇。
はるばる海を渡りやって来た妻子と7年ぶりに再会した男が、妻子の命を虫けらのように奪ったならず者を殺害したために起こる復讐の連鎖に肉迫する。
敵方に属する沈黙のヒロインを『ダーク・シャドウ』などのエヴァ・グリーンが好演。監督は『キング・イズ・アライヴ』のクリスチャン・レブリング、脚本に『ある愛の風景』『未来を生きる君たちへ』のアナス・トーマス・イェンセン。
荒くれ者たちを相手に、愛と正義のために銃を取る主人公の男気に脱帽。いやぁ、監督はじめスタッフらの本気度がスゴイ。西部劇への愛情や敬意などの熱いエモーションも伝わってくるなあ。
冒頭、スクリーン全体に広がる雄大で広大な荒野に圧倒された。
ストーリーは王道の“復讐モノ”でシンプルだけれど敵陣が卑劣過ぎるせいか痛快感はなくってイヤな感じが残る…。
自然の風景や雨、風、砂埃、夜、雷、月明かりなどの映像がすごくキレイ。
寂れた町のセットといい、重そうでざらついた感じの衣裳、小道具たちにもコダワリや本気を感じたな。
ロン毛でサムライっぽいマッツ・ミケルセンは繊細さとワイルドさを持ち合わせ、多くを語らず、果てしない怒りや哀しみすら押し殺し、独特の存在感たっぷりに演じてる。
クラクラするほど美しいエヴァ・グリーンは迫力の目力でお見事としか言いようがないや。
どんどん死人が出るけれど、迫力のガンアクションも良かった。音楽も良いんだよね。美しい映像とハラハラドキドキの展開の本格西部劇でアッという間の93分。
シネフィル編集部 あまぴぃ
【キャスト】
マッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーン、ジェフリー・ディーン・モーガン、ミカエル・パーシュブラント
【スタッフ】
監督:クリスチャン・レヴリング