シネフィル映画短評 第56回　映画『道しるべ』

映画『道しるべ』

同じ名前の2人の男が偶然にも同じ時間と場所で待ち合わせてしまったことから巻き起こる騒動を描いたドタバタコメディ。
振り込め詐欺の受け子をやっている男と、見習い介護士として働いている男。同じ名前を持つ2人はそれぞれの待ち合わせのため、全く同じ時間に同じ場所を訪れる。
互いの迎えの車に入れ替わって乗り込んでしまった2人は、そのことに気づかないまま互いの仕事場へと運ばれていく。

主演は『剱岳 点の記』の仁科貴とお笑い芸人の金谷ヒデユキ。振り込め詐欺のターゲットになる老婦人役に本作が42年ぶりの映画出演となるベテラン歌手・園まり。他に浜畑賢吉、渡辺真起子、内海桂子らが共演。
監督はドキュメンタリ映画『ムーランルージュの青春』で注目された田中じゅうこう。
プログラムピクチャーのテイストを現代に甦らせようと企画された「シリーズ夕焼け劇場」の第一弾。ほのぼのとしてクスクス笑える楽しい作品。

ドキュメンタリ監督らしく、きっちりした画面作りで丁寧に話を重ねて行く感じがなんだかすごく心地良い。こだわりが強いというか、几帳面な人なんだろうなと妄想。

園まりはとっても可愛らしいし、老カップルっていうの?もほのぼのしてて良いんだよね。
主演の仁科貴と金谷ヒデユキの演技も間も素晴らしい。他の役者たちも存在感たっぷりで好感。
音楽も映画に寄り添っててとっても良かった。
ニコニコと優しい気持ちになれる作品。

シネフィル編集部 あまぴぃ