今の中国映画事情ってこんなに!
大卒の平均初任給が、4万円前後と言われている中国。
その中で、約1500円~2000円する映画館のチケットは決して安いとは言えないし、一部の富裕層のみの嗜みだと、日本人ならば考えてしまうだろう。
空前のブームの映画鑑賞!映画館は昨年だけで957館増加!
だが中国で映画鑑賞は、もはや空前のブームであるし、映画館へ足を運べば学生などの若い男女のカップルが、大勢デートで訪れている姿を簡単に目撃することも出来る。
2003年時に全国約16000前後だった劇場数は、この12年間で約19000にまでその数を増やし、特筆すべき点は、この12年間で約3000前後劇場数が増加した中で、そのうちの約3分の1を占める957もの劇場が、2014年の1年間だけで新設されたということだ。
現在でもなお、新たな映画館建設が全国至るところで進められており、この数年間の国内映画需要が、軒並み高まっているという点だ。
昨年1年間だけで、新設されたスクリーン数は、5077にも及ぶ。
日本全国でのスクリーン数が3364(2014年12月末時点)だというのだから、この数値がいかに凄いものかは、容易に想像出来るだろう。
国が支える、映画の撮影。
撮影所はディズニーランドとシーを合わせた3倍の広さ
映画需要が高まっているのは、なにも映画館の劇場数に限られたことではない。
超大型の映画撮影所や映画村なども、新たに増えているのだ。
そのうちの1つが、私も映画村オープン式典にゲストとして参加したことのある、「無錫国家数字電影産業園」だ。
ここは2013年6月にオープンしたばかりの巨大な映画村で、敷地内の撮影所で撮影を行えるのはもちろんのこと、その他にCG制作や撮影の編集作業として、今後大きな役割を担うスタジオとして期待されている新スポットだ。
このスタジオを使用して後期制作された作品には、「キャプテンアメリカ2」や「ウィンターソルジャー」、「ミュータントタートルズ」などの、ハリウッド作品も含まれる。
中国国内には、元々アジア最大級と言われている横店影視城をはじめ、長影世紀城や上海影視楽園など、日本の撮影所とは比べ物にならないほどの、広大な敷地とセットを擁した撮影所が、数多く存在する。
横店影視城内には「秦王宮」や「清明上河図」「香港街」」など、幾千年の歴史をまたぐ13のエリアがあり、総面積(資料によりばらつきがあるので正確な広さは不明)は、ディズニーランドとディズニーシーを合わせた面積の、3倍ほどの広さとも言われている。
こういったハード面を存分に活かした映画やドラマの映像制作は、年々その数を増やしているし、近年中国は国策として、映画などの文化産業に力を入れていることもあり、国内の高まる映画需要に合わせて、大作や海外との合作作品も増加の一途にある。
中国がアジアのハリウッドと呼ばれる日も、もしかしたらそう遠くはないのかもしれない。