黒沢清監督『岸辺の旅』カンヌ国際映画祭ある視点部門で監督賞!
2008年『トウキョウソナタ』で審査員賞受賞以来2度目の栄誉!

「岸辺の旅」は、湯本香樹美さんの同名小説の映画化で、夫婦の愛の物語を通じ、生者と死者のつながりを描く。主演は深津絵里さんと浅野忠信さん。

 授賞式で黒沢監督は「本当に驚いています。このささやかな地味な作品の中からひとつの輝きを審査員の方が発見してくれたんだろうと思います。そういうことが起こる場がこのカンヌ映画祭なのかなと思っています。本当にありがとうございます」と話した。

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黒沢監督は受賞後、記者会見し「僕の映画はこれまで、ある事件を描くのが主眼だったが、この作品で初めて人生を描けたのかなと思う。ただ2人の人生があったということが初めて映画にできた。人は死んで終わるのでなく、死んでから何かが始まるという考え方は、宗教や国籍を超えて世界中の人がもっていると感じる」と語った。

黒沢 清(くろさわ・きよし)
55年神戸市生まれ。相米慎二監督作の助監督を経て、83年ピンク映画でデビュー。97年のサスペンススリラー「CURE」で注目され、01年のホラー映画「回路」がカンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。08年に同映画祭「ある視点」部門で「トウキョウソナタ」が審査員賞を受けた。